映画『小さいおうち』山田洋次監督が直木賞受賞作を映画化!監督・豪華キャストが本作への熱い想いを初披露!(1/2)
大ヒット作「東京家族」がロングラン上映中の山田洋次監督が、早くも最新作に向けて始動。監督作82作目となる本作は、2013年3月1日より都内の成城・東宝スタジオでクランクインし、まさに今、約3カ月におよぶ撮影の真っ最中です。
【製作会見概要】
実施日:4月15日(月)10:00〜
場所:東宝スタジオ
【製作会見】アクターズセンター1F センターホールA・B
【フォトセッション】No.9ステージ「小さいおうち」セット前
【登壇者】
松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子、山田洋次監督
【MC】八雲ふみね
【製作会見内容】
<ご挨拶>
●山田洋次監督:
僕がこの原作を初めて読んだのは3年前でした。表紙がとても綺麗で、手にとって読んでみたんですが、読み終えるやいなや、「誰かこの作品を撮っているんだろうか?」というのが気になり、調べたところ、まだ誰もやっていないことが分かって、すぐに原作者に「映画を撮りたい」という提案をし、伝えました。
今まで、原作がある作品を撮ったことがあっても、このような形で、「作りたい」という気持ちにさせられたのは初めてのことでした。
何ともいえない、不安でドキドキするような、隠された色気のようなものを感じる作品で、「一体これは何なんだろう」と思いながら、脚本を書き始めました。
これは罪の話でもあるのですが、その罪の向こうに時代がある。
そんな風な映画が出来たら素敵だろうなと思いながら作りはじめました。
「東京家族」を撮ろうと思ったら、3月11日の震災が起こり延期をすることになりましたが、その間もずっと頭の中にこの「小さいおうち」のことがありました。
今回この作品が、ようやくセットをたてて、素敵な俳優さんたちと一緒に撮影を開始し更に今日こういう形で会見を行うことが出来て、とても感慨深いです。
●松たか子さん:
平井家の奥さんを演じさせていただいてます。
とても楽しい濃い撮影が半分を過ぎましたが、まだ何か起きるんじゃないかと思ってる予感の中、撮影をしています。
平成パートのみなさんが想像をふくらませていただけるような時子を演じていきたいと思います。
●黒木華さん:
昭和のタキさんを演じています。
監督とは今回初めてご一緒させていただきましたが、毎日とても楽しく撮影をしています。
良いバトンを(晩年のタキを演じる)倍賞さんにお渡しできるよう頑張りたいと思います。
●片岡孝太郎さん:
私はほとんど映画の経験がないといっても良いくらいでして、つい先日、歌舞伎座が新しくオープンした時期で、歌舞伎に出演しなくていいのかなとも思いましたが(笑)、今回、山田監督から、お話をいただけて大変光栄に思っています。皆さんの足を正直引っ張ってしまっている気がしますが、最後まで頑張りますので、よろしくお願いします。
●吉岡秀隆さん:
本当に1カット1カット、監督のご指導のもと、指先や目の動きの1つ1つの動きまで、細やかに演じ、奮闘している日々を送っています。
よろしくお願いします。
●妻夫木聡さん:
まだ撮影は来月から本格的に始まるのですが、いい青年を演じられたらいいなと思っています。頑張ります(笑)。
●倍賞千恵子さん:
晩年のタキ役を演じています。
昭和時代のタキさんが、良いバトンを渡してくださるようなので、私はそのバトンを落とさないよう、妻夫木君と一緒に平成の時代のタキ役として、頑張りたいと思います。久々の山田監督の現場ということもありますので、これから楽しく撮影が出来ればと思っています。
<質疑応答>
●MC:
どのような想いを込めて、この映画の制作にとりかかりましたか?
●山田洋次監督:
僕は長年、映画監督をしていますが、こういうタイプの映画を作るのは初めてです。この間も、松さんが吉岡くんの下宿の階段を上がっていき、部屋に入るシーンなんて、僕も撮りながら、一緒にドキドキしてしまいましたね。初体験のような世界をおそるおそる辿っているという感じですね。
●MC:
松さんは「隠し剣 鬼の爪」以来、9年ぶりの山田組参加となられます。
3月1日にクランクインし、ちょうど本日が1ヶ月半にあたりますが、山田監督との日々、そして時子という役どころを演じられてきて、今のお気持ちはいかがでしょうか。
●松たか子さん:
監督はもちろん、スタッフの皆さん、キャストの皆さんに時子にしてもらってるという感じがしており、とても幸せです。
生まれる前の苦しみのようなものはありますが、何が辛いか分からないほど、毎日何かが起きる現場で、色々な方によって時子でいさせてもらってると思っています。
●MC:
倍賞さん、吉岡さんとも9年ぶりの共演だと思います。
●松たか子さん:
「隠し剣 鬼の爪」では、私の役は、まさに女中さんの役だったので、あまり会話を気軽にお話できるような間柄ではありませんでした。
今回、吉岡さんとはロマンスですが、倍賞さんとは時代設定が違ったりという、付かず離れずな感じになってしまいました(笑)。
でも、吉岡さんとは、ロマンスというか恋愛関係というか・・・、同士、と思えるような相手を見つけたんですよね。
最初はすごく緊張していていましたが、とてもいやすい雰囲気を作って下さっていたので、その変化をすごく楽しませていただいています。
●MC:
吉岡さんもまた、山田監督とは「隠し剣 鬼の爪」以来9年ぶりの出演となられますが、今回改めて山田組に参加されて、現場の雰囲気などはいかがでしたか。
●吉岡秀隆さん:
何も変わっていませんね。変わっていないことが魅力だと思います。
変わったのは、撮影場所が大船でなく、この東宝スタジオになったくらいだと思います。
でも不思議なのが、スタジオに入っても、大船の雰囲気がありますし、メイク部屋も衣裳部屋も大船の、山田組の匂いがするんですよね。
なので、待ち時間などにふとした瞬間、「これって寅さんだっけ?」という気持ちになっていました。
●MC:
片岡さん、そして黒木さん、今回はじめて山田洋次監督作品にご出演されて、いかがでしたでしょうか。日々、撮影現場で感じられてきたことなどを、お聞かせくださいますか。
●片岡孝太郎さん:
山田監督は、私の祖父の十三代目・仁左衛門が、寅さんでお世話になっていて、歌舞伎俳優の先輩だと、橋之助兄さんなどが山田監督の現場を経験されているので、この撮影に入る前にどんな監督なのかを聞いてみたら、「すごく細かい方だよ。」と言われました(笑)。
私は、本当に即興性がない人間なので、ご迷惑をおかけしていますが、撮影ももう少しなので、どう頑張って乗り切ろうかという思いです(笑)。
でも、本当に素敵な世界ですね。撮影スタジオに入ると、僕らが住んでいる赤いお家があるんですが、本当に素晴らしく、「ここに住めたらいいのにな」と思ってしまいます。
少しでも監督の役に立てるよう、頑張ります。
●黒木華さん:
今回、山田監督とご一緒できてとても嬉しいです。
私も片岡さんと同じで、監督から、細かく丁寧に、1つ1つ親切に教えて下さったので、有難かったですし、とても勉強になりました。
私は着物など、ほとんど着た事がなかったんですが、着物の着方や仕草、言葉なども細かい仕草まで教えて下さり、とても刺激を受けました。
最後まで頑張りたいと思います。