2007年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した武富健治による原作を基に、どこにでもいそうな平凡な教師が、どこにでも起こり得る問題について過剰に悩みつつ、独自の教育理論によって解決していく様を描き、各方面で波紋を呼んだドラマ「鈴木先生」が、遂に映画化!
11月26日(月)、『映画鈴木先生』完成披露試写会を行ないました。長谷川博己さんは、久々となる黒縁眼鏡とループタイという“鈴木先生”としての姿で登場!監督・キャストたちがドラマからよりパワーアップした映画への思い入れを和気あいあいにたっぷり語った舞台挨拶となりました。
また、新春に、ドラマと映画のストーリーを繋ぐ短篇ドラマが放送されることも決定し、監督から発表がされました!

日時⇒11/26(月)18:30〜19:00 舞台挨拶
場所⇒角川シネマ新宿(新宿区3-13-3 新宿文化ビル4F)
登壇者⇒長谷川博己、臼田あさ美、土屋太鳳、風間俊介
富田靖子、武富健治(原作)、河合勇人(監督)

長谷川博己「ドラマ撮影中は映画化は難しいだろうという雰囲気だったので、こうやって皆様の前に立てることを幸せに思います。早く皆様に映画をお見せして感想を聞きたいです。」
臼田あさ美「妻になり、鈴木あさ美になりました。妊婦ということで母性が強くなってドラマのようなドキツさが薄れるのかと思っていましたが、相変わらず暴走しているので、パワーアップしたなと思いました。」

土屋太鳳「今日は錚々たる皆さんに囲まれて生徒役は私ひとりで気が遠くなりそうなので、土屋太鳳としてではなく、緋桜山中学2年A組を代表してここに立ちたいと思います。ドラマの舞台が1学期の終業式までで、映画は2学期が始まったところが描かれています。久しぶりに会ったら、皆見た目だけでなく内面や演技も成長していたので、負けたくないなという気持ちでした。お互いに切磋琢磨できたなとも思うので、そこを感じてほしいです。」

風間俊介「(新キャラクターとして現場に新たに参加したことについて)これまでドラマのファンだったから、撮影現場に潜入できる権利を入れたな、と嬉しかったです。素晴らしい作品を作りあげる人達だということが分かっていたので、その空気を汚すことなく、馴染むんじゃなくて異物として混入できたらと思って参加しました。演じたユウジという役は、足場の悪いところで必死に生きる人代表みたいな感じで、なぜこういう結果になってしまったのかしっかり描けていると思います。普通の人が壊れざるを得ない状況になってしまった社会とどう向き合うかについて、監督と話しながら撮っていました。それを感じてもらえたらと思います」

富田靖子「皆さん・・・なぜか・・・この舞台に立っております。足子瞳、元気になって帰ってきそうです。どうぞ映画をゆっくりご覧ください。(映画化したことについて)まさか映画にも出てくるとは思っていなくて、“いいなあ”と思っていました。足子先生は演じていて本当にいい役です。なんか、胸につっかえたようなものが、足子先生だとスルっと言える感じがあって、心行くまで堪能しました。」と、挨拶の冒頭では独特のテンポで足子先生になり切って挨拶。インパクト絶大な挨拶に、場内からは大きな笑いが湧き起こった。

武富健治(原作者)「僕はドラマの鈴木先生のファンで、映画も先に楽しませていただきました。今日は皆さんに映画を観てもらえるということで、同士として嬉しいです。漫画を描きながら、1学期はドラマで2学期は映画・・・と勝手にイメージしていたのですが、漫画ではうまく描けなかったものを洗練した形で実写にしていただきました」

河合勇人監督「ようやく皆さんに映画を届けられるということを楽しみにしていました。ドラマからさらにパワーアップした映画を楽しんでください。親子で観てもらって、親子で楽しんでほしいと思います」

長谷川さんが久々に黒縁眼鏡にループタイという鈴木先生の姿になったことについて、「久しぶりではあるんですが、鈴木先生というスイッチが入ったりするのかなと思っていたのですが、そういう感じも特になくて・・・」と、笑いを取ったところで、風間さんより「逆にこの姿が自然すぎて、長谷川さんだというよりは、鈴木先生として自然に受け入れてしまっちゃってます。普段から長谷川さんはこういう恰好でいるんじゃないかな、という・・・」とすかさずツッコミ。
続いて、撮影時のエピソードを聞かれた長谷川さんは、「命綱を使う危険なシーンがあったんですが、それにカビが生えていたみたいで・・・。かきむしったらカビが入ってしまって、しばらく肩の回りがカビだらけになってしまいました・・・」と衝撃?の告白をして会場を笑いの渦に包んだ。

ドラマオンエア時に様々な賞を獲得したことについて、河合監督は、「賞をいただけたことがすごく嬉しくて、期待に応えないといけないということもあったけど、それを跳ね返すぐらいの作品にしてやろうということで、スタッフとキャスト一丸となれたと思います。」とコメント。
大人こそ楽しめる学園ドラマになっていることについては、富田さん「ささいな問題をここまで深く掘り下げて描いた作品は他にはないんじゃないかと思います」、武富先生「大人向きということで書き始めた漫画ですが、ドラマが始まったら10代の方からも結構な的確な感想が来たりしました」、河合監督「知り合いから、子どもと見たらゾッとした、もう少し家族で楽しめる作品にしてくれという苦情が来ました(笑)僕としては、ぜひ親子で観ていただいて、会話をどんどんして欲しいなと思います」などと振り返った。
予告編にも使用されている冒頭の体育館への乱入シーンについて、河合監督によると、最もこだわったカットだったそうで、臼田さんは、「監督がすごくこだわって撮ってくださって、何十テイクやりましたし、手に持つものを色々変えてみたり、表情も何パターンもやりました」とコメント。
中学校の時はどんな生徒だったかという質問について、風間さんは「実際はかわいくない生徒だったんですけど(笑)、僕は実際の中学生活と(ドラマを通じて)架空の中学生活を送っていて、鈴木先生の中ではこのユウジというキャラクターが、鈴木先生の元にやってくる最後の転校生、最後の教え子みたいな感じなので、僕にとっては架空の恩師がいるというような喜びを感じています)と自身にとってふたつの中学時代を振り返った。

最後に長谷川さんと河合監督からメッセージをいただきました。

長谷川「こうやって映画ができたことは、監督にとって一番、スタッフが報われたことが僕には何よりも嬉しく感じます。元々映画を作ろうとした企画が先にドラマに、最終的に映画となりました。1回から10回までのドラマの集大成がこの映画になっています」

監督「映画を観たら、きっとドラマを観たくなると思います。ドラマを1話から観たら映画を観たくなると思います。そうやって繰り返し見られることに耐えうる作品だと思っているので、繰り返し繰り返し観ていただいて、皆さんの心の意識や変革が起こればいいなと思っています」