今年4月に全国ロードショー公開され、大ヒットした映画『わが母の記』(脚本・監督=原田眞人、原作=井上靖)のブルーレイ&DVDが、今月8日にキングレコードから発売されたのを記念して東京・原宿のニコニコ本社2階で、同作主演の女優・樹木希林(69)と俳優・山本太郎(37)による初トークライブを行いました。

本作は、昭和の文豪・井上靖の自伝的小説を豪華キャストで描いた家族の絆の物語で、第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞を皮切りに、様々な国際映画祭で絶賛。日本でも大きな感動に涙して劇場をあとにする観客が続出し、大ヒットを記録。

◆『わが母の記』ブルーレイ&DVD発売記念会見:イベント概要◆

■日程:2012年9月10日(月)
■会場:ニコニコ本社2F(渋谷区神宮前1-15-2 ニコニコ本社ビル)

■登壇者:樹木希林、山本太郎(ゲスト)
■MC:重松和世(元CBC中部日本放送アナウンサー、現FM NACK5アナウンサー)

『わが母の記』のブルーレイ&DVDの発売を記念して行われた本会見と、ニコニコ生放送。樹木さんのご指名により山本太郎さんがゲストとして迎えられ過激なトークも交えた会見・生放送となりました。

会見内容

樹木希林さん:山本さん元々はダンス甲子園でしたっけ?
その辺は娘が詳しいんですけど、私は『夜を賭けて』で共演して、韓国でお会いしたのがはじめでしょうか。
その時私がこんにちわって挨拶したんですが、あまり反応がなかったんです。
先日、東海テレビの報道番組のえん罪の再現ドラマで共演しまして、一緒の場面はなかったんですけれど、久しぶりに会ったときに太郎さんは結婚していて、太郎さんみたいな生真面目な人生っていいなと思い、そういう人にこの映画を見てもらって、どんな感じかなと聞きたかったんです。

山本太郎さん:韓国でお会いした時はものすごく緊張していたんです。
そして樹木さんの役も特殊だったので、入り込まれているのではないかと声をかけられなかったんです。
いまや犯罪者扱いされている僕をこういう場に引き出してくれるなんて光栄ですよ。希林さんとお話させていただけて最高です。

MC:山本さん作品をご覧になっていかがでしたか?

山本さん:本当にいい映画です。自然な芝居でその世界に引き込まれていくというか、うまい役者がたくさんそろっていて…。僕にも母がいますし、それと重なって、久々に大泣きして、リフレッシュしました。

MC:本作は家族のお話ですが、お二人にとって家族とは?

樹木さん:山本さんよりも、もしかしたらぶっ飛んでいる家族かもしれません。
でも、家族だからというだけで絆というものは感じないし、家族でなくても絆を感じることはできると思いますね。

山本さん:樹木さんのご家族はポップだと思います。
うちも結構ハチャメチャで女で一つで子ども三人育ててくれた母親がファンキーですね。学校の夏休みが終わっても家族で旅行をを続けているような(笑)。
樹木さん:最近結婚されたじゃない?どう思った??

山本さん:結婚という制度自体必要ないと思っていたんですけど、互いに特殊な家族環境や諸事情ありまして、籍を入れました。

樹木さん:私も結婚に対して紙切れ一枚と思っていたんですが、ちょっと違った。
結婚することによって、私は世の中と繋がったと思うし成長したと思う。
同棲と結婚はやっぱり違ったと思います。

山本さん:結婚された時、旦那さんの反応はどうでした?

樹木さん:私が勝手に届けを出したんだから!入籍の事実を聞いた時も、何の反応も無かった。元々頭になかったんじゃないかしら。
でも離婚のとき相手が勝手に届けを出したのには、今考えるとだんだん頭にきますね。
まぁどっちも勝手だけど(笑)。
何度も結婚をする人は次の結婚で幸せになると思ったら大間違いなのよ(笑)。

※記者からの質疑応答

Q:樹木さんは先ほどのお話の中で、私の人生もっとぶっとんでるはずだったとおっしゃっていましたが、どのような点ですか?

樹木さん:元々「名もいらぬ」「金もいらぬ」「命もいらぬ」というような感じだったのですが、世の中を変えるほどでもなく、今は普通の人になっちゃった(笑)。もう70歳ですからね。

Q:震災から明日でちょうど一年半ですがいかがですか?

樹木さん:この映画は震災のちょうど前日に撮り終わったんです。
真っ先に原発反対運動される山本さんと同じ気持ちで飛び出していきたいくらいだったけれど、もう歳だったんで……。

山本さん:震災以後世の中的に言われている“絆”は表面的なことに使われすぎている気がします。
家族になるくらいであれば、自然と絆がうまれてくると思います。

MC:それでは最後にメッセージをお願いします。

山本さん:私は出ていませんが、映画ファンの一人として、この映画はぜひ皆さんに見ていただきたいなと思います。
最近は、社会的に起きることが絶望的なことが多いですが、自分らでリフレッシュしたほうがいいと思うんですね。
それには一番何がいいかと言うと、心につかえているものを出したり、しゃべったりとか、涙を流すというのがすごく意味のあることでして、それには最高の1本だと思います。

樹木さん:映画の宣伝をしてもしなくても、買う人は買うし、買わない人は買わない(笑)。
でもね、松竹としては今年一番のヒット作品だそうなので、プロデューサーは満足しています。
このブルーレイ&DVDは、ちょっと外へ出ていかれない介護状態の方は、どうぞおうちで見ていただいて、私と一緒ねえと思っていただければ、逆に頭がはっきりすると思います。

『わが母の記』ブルーレイ&DVD発売情報
発売日:2012年9月8日
セル専用Blu-ray 税抜価格:4,800円 税込価格:5,040円
セル専用DVD 税抜価格:3,800円  税込価格:3,990円

発売元:キングレコード株式会社
販売元:キングレコード株式会社