映画『ナイン・ソウルズ』松田龍平&豊田利晃監督初日舞台挨拶
豊田利晃監督作品『ナイン・ソウルズ』が、9年ぶりにニュープリントで帰ってきました!!6 月23 日の初日舞台挨拶では多くのファンが駆けつけ、当時の撮影中のエピソードなどを振り返りながら終始笑いの絶えない舞台挨拶となりました。
日時:6 月23 日(土)
場所:渋谷ユーロスペース
時間:13:40〜14:00(2 回目上映前)
登壇者:松田龍平豊田利晃監督
MC:豊田利晃監督、松田龍平さんです!
監督:監督の豊田です。この作品は32,3歳の時の作品です。4 作品目にして全てを出し切ろうとした作品です。昨日ここで映写チェックがあったのですが、僕が遅刻をしまして、その時の夢の中に芳雄さんが出て来てうなぎの骨をかじってたんですけど、「来るのが遅い、来るのが遅い」って言ってました。そして、この映画が公開されたのが9 年前の7 月19 日。芳雄さんの命日が7 月19 日。なんだか芳雄さんが映画を再上映させてくれた気がします。
松田:今日は、沢山の方に来て頂き有難うございます。10 年前?あ、9 年前の作品が公開されすごく嬉しいです。
MC:当時の撮影のエピソードとか思い出しますか?
監督:雨が多かったですね。撮影の前半は結構中止になってましたね〜
MC:撮影当時、1 人だけ10 代でしたが・・・・
松田:僕の年よりも倍の年齢の人ばっかりだったから、この役の未散みたいに映画と繋がる感じがして、そういう演出が豊田さんは、好きなんだと思います。映画の中では、9 人ずっと赤い車で移動して行くんですが、実際、ロケの移動も同じようにぎゅうぎゅうになりながら一緒に移動してて・・・そんなシーンもよく出てたんじゃないかと思います。
MC:9 年前の松田さんはどうでしたか?撮影中の印象的な事はありましたか?
監督:そんなに憶えてない(笑)撮影場所の近くに宿舎があってそこでずっとマンガ読んだり、ゲームをやっていた姿が印象に残ってます。確か、誕生日に芳雄さんが・・・
松田:車やるよって芳雄さんに言われ、やった!と思ったら、赤いフェラリーの模型みたいなものをもらいました。すごくいいものでしたよ。今でも部屋に飾ってあります。
MC:9人皆さん、仲良く撮影されてたんですか?松田さんは何か印象的な事、憶えてますか?
松田:僕は全然誰ともしゃべれませんでした。逆に瑛太が出てくるシーンの時は歳が一番彼と近かったので、安心した気がしました。
MC:その後すごく共演されていますが・・・
松田:そうですね。ラップ歌ってる瑛太とか・・・
MC:超ラッパーになっている瑛太さん。すごく貴重な映像ですね。原田芳雄さんとは現場以外でも、コミュニケーションはとっていたんですか?
松田:芳雄さんには、僕にとって親父に近い人だったから。その当時、一緒に共演する役者さんの中では特別な存在でした。父親に近いものを感じたいと思って、僕はすごく話したいなって思っていましたが、でも、まだ10 代だったし・・・どう接していいのかわからなかったです。僕の役柄も父親殺し、芳雄さんは息子殺しで、どこかその関係性を連想させる・・・父親を殺してしまったという思いの中、こんな父親もいるんだっていうのを感じたり・・・そういう意味では特別な感覚でいたかもしれません。
監督:芳雄さんは、撮影初日に木刀持って来たんですよ。僕も負けちゃいけないと思って次から僕も木刀持って現場に行きました。それから映画の現場では木刀持ってます(笑)
松田:木刀じゃないじゃん(笑)木じゃん。
監督:木刀じゃないじゃん。心の支えが欲しくて。(笑)芳雄さんから教えてもらったんですが、「竜馬暗殺」の時に河原の所で芳雄さんがいると、松田優作さんが後ろから襲って来る。それと「ナイン・ソウルズ」で田んぼで龍平がうしろから襲ってくるのが実は似てるって・・・
後で観なおして見ると、本当に似てて・・・芳雄さんが何か不思議な気がするって言ってました。
MC:監督は意識されたわけではなく?
監督:はい。全然僕は、この映画は勿論観てましたが、全然そんな気はなく・・・
MC:松田さんと原田さんがすごく取っ組み合いのシーンありましたが・・・
監督:すごくあの時だけ泥だらけになった・・・
松田:田んぼに思いっきり芳雄さんの顔をつけるっていうシーンで本気でやればすごくリアルに映るんでしょうけど。アクションでは実際にあたってなくてもそう見せなきゃいけないし・・
あたっちゃった時もあったけど、全然痛くなくて、その加減はすごいなと思いました。
実際に芳雄さんの家に遊びに行った時にも、殺陣の練習付けてくれて・・・すごくリアルにやるっていう事意外は、役者として技術として見せなきゃいけない形みたいなもの・・それは、すごく大切だなと感じました。
MC:芳雄さんについては、娘役の松たかこさんも本当に娘役をやれて良かったとか、他の役者さんも現場でもお父さんのような存在だったとお話される方もいました。監督から見ての原田芳雄さんの存在はどんなでしたか?
監督:僕は監督という立場なのでアウトローの原田芳雄が見たいと思っていたので、僕は一時期から芳雄さんと口がきけずケンカ体制で最後までやり尽くした映画でした。
映画の撮影が終わり、僕は監督として結構追い込めたんじゃないか、勝ったんじゃないかと思ってました。
ただ、インタビューで芳雄さんが、また一から始めないといけないと言ってて・・・その発言を聞いて、あれ、負けたんじゃないかと思って芳雄さんは、やっぱり器がデカイと思いました。
MC:映画観てどうでしたか?
松田:憶えてない。(笑)あまり・・観てない。(場内笑)
MC:あまり、ご自身の作品は観たりされませんか?
松田:あまり・・・でも、豊田さんも9 年もたっている作品だから別の人が作った作品みたいに観れるって言ってたんで・・・僕もその頃と顔も違うし・・・別の人がやっている映画みたいにして観れるかも。
MC:最後に皆さんにメッセ-ジをお願いします。
松田:本当に今日は大勢の方が観に来て頂き有難うございました。「I’M Flash」っていう映画も豊田さんとやったのでまだ知らない人チェックして行って下さい。今日は有難うございました。
監督:オリジナルの脚本で、フィルム上映で映画を観れるのは、これから機会がどんどん少なくなっていくと思いますが、今日フィルムで映画館で観に来て頂きまして本当に有難うございました。
また、新しい映画で会いましょう!今日は有難うございました!