古谷実による人気コミックを原作に、舞台を3.11後の日本に移し、「今」の日本の姿を掬い上げた問題作『ヒミズ』。

第68回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で日本からは唯一の出品になる、本作の上映が、現地時間の9月6日(火)22時に行われ、園子温監督と主演の染谷将太、ヒロイン二階堂ふみが登場しました!

今回のヴェネチアは、並いる巨匠やベテラン俳優たちが目立つ中、フレッシュな装いで公式上映前のレッドカーペットに登場した主演の染谷将太、中世のドレスのイメージを現代風にアレンジした可憐な衣装で登場した二階堂ふみ、そして、海外映画祭常連らしい、堂々とした様子で登場した園子温監督に、一斉に海外のメディアのフラッシュを浴び続け、注目度の高さを伺わせた。

その後の公式上映では、クライマックスになると場内から嗚咽する声も漏れ、終了直後には、嵐のようなスタンディングオベーションが約8分間巻き起こり、場内にいた園監督、染谷、二階堂らを称賛し続けた。

日本映画としては14年ぶりの金獅子賞授賞に、大きな期待が集まる結果となりました。

ヴェネチア国際映画祭『ヒミズ』公式記者会見
日時/9月6日現地時間12:30〜(日本時間 6日19:30〜)
場所/イタリア・ヴェネチア「Sala grande」
園子温監督、染谷将太、二階堂ふみ 

Q. この映画を作ることの思いは?
園子温監督:今回初めてオリジナルではない、漫画の原作の映画をやることにしました。10年前に書かれた漫画は、終わらない日常の退屈さ、虚しさみたいなものが若者の意識の中にあった原作「ヒミズ」を、3月11日の震災を受けて、”終わらない日常”から”終わらない非日常”があたりまえになってしまった。そういう若者を描きたかった。

Q.震災後の若者の心境を問われて。
染谷将太:3月11日に震災があって、今までの日本人の若者では考えなかったことを考え始めたり、すごく悲しい思いをして立ち直ろうとしていたり、今までとは全く違う思考を若者が持ち始めていることを実感しています。

二階堂ふみ:今回震災を受けて、改めて、何も知らなかったというショックを受けている同世代の人が多いと感じています。少なくとも、私はもっともっと勉強していろんなことを知りたいと思いました。