阿部寛主演『天国からのエール』の夫婦限定試写会を9月4日(日)六本木の会場で実施致しました。『天国からのエール』は、沖縄県・本部町にある、プロのアーティストを輩出しつづける実在の音楽スタジオ「あじさい音楽村」の創設者、仲宗根陽(なかそねひかる)さんの感動の実話を描いた物語です。地元の若者を全力で応援し続ける主人公・陽(阿部寛)と、ときには全力でぶつかり合いながら気丈に陽を支えた妻・美智子(ミムラ)の夫婦の絆も描いている本作にちなんで開催された夫婦限定試写会には、約20組の夫婦が参加。試写会後には熊澤誓人監督と真壁佳子プロデューサーが登壇し、映画を観終えたばかりの観客からの質問にもこたえながらのティーチインとなりました。

日程■2011年9月4日(日) 登壇者■熊澤誓人監督、真壁佳子プロデューサー

司会進行を務めたのは本作のプロデューサーである真壁佳子氏。06年に放送された仲宗根陽さんのドキュメンタリー番組を偶然テレビで見たことから、映画化を熱望し、すぐに沖縄・本部町まで足を運び仲宗根さんに直談判したことから映画化が実現。
仲宗根さんと映画の話をしている中で「まだ確約も取れていない状態で主人公は阿部寛さんに演じてもらいたいと思っている、と仲宗根さんに話をしたらすごく喜んでくれていた。二人が実際に対面することなく仲宗根さんは他界してしまったが、阿部さんは現場で何度も何度も仲宗根さんの映像を見たり、仲宗根さんについての本を読んだりしては監督とディスカッションを繰り返して、とにかく仲宗根さんになりきろうと努めていた。一方の妻役を演じたミムラさんは、舞台の本部町で仲宗根さんの奥さんが現場でご覧になっている状態で演じなければならなかったので、すごいプレッシャーだったと思う。」と語り、それに対し熊澤監督は「ミムラさんに(仲宗根さんの奥さんの)美幸さんと話をするかと相談したが、阿部さん演じる陽の奥さんとしてついていく、と言ってくれたので、本人との話し合いは行なわずに、ワンカット撮り終えるごとにこれで合っているか、と毎回話しながら妻役を完成させていった」と現場でのエピソードを披露した。

 また、仲宗根さんの奥さんである美幸さんについて、真壁プロデューサーは「実際に陽が亡くなるシーンや病気の告知を受けるシーンは本人も見ていて辛かったと思うが、すごく気丈な方で、差し入れをしてくれたり、現場でも全体のお母さん的存在で見守ってくれてた」と話した。映画でその主人公の陽を気丈に支えたミムラ演じる妻について、会場の女性からは「自分と照らし合わせて考えるとこういう夫を持つことすごく歯がゆい気持ち。だけど生まれ変わったらこんな奥さんになりたい。」と感心のコメントが飛び出した。

また、熊澤監督は、「モデルになった仲宗根さんご本人やその家族の話を描くわけですが、実際の方をモデルに映画にするわけだから、きちんと描かないと嘘になるし、変に嘘をついたり美化したりするのは嫌だった」と語り、仲宗根さん夫婦については「お互い気遣っているから言えないこともあって、そういうことをある瞬間に乗り越えてきたんだと、実際の2人を見て思った。いろいろな問題に直面しながらもきちんと乗り越えてきた2人の絆の深さを伝えないといけない」と答え、最後は会場からの温かい拍手に包まれてティーチインは終了した。