この度、モントリオール世界映画祭 観客賞受賞ほか、数多くの賞を受賞したスペイン映画『ペーパーバード 幸せは翼にのって』(アルシネテラン配給)が8月13日に銀座テアトルシネマほかにて順次公開致します。
スペイン独裁政権時代を舞台に描かれる、喜劇役者と少年の強い絆の物語は、多くの人の心に共鳴し、記憶に残る感動作です。そんな本作の公開を記念いたしまして、林家三平さんをゲストに迎え、トークイベントを開催いたしました。

■日時■8月14日(日) 
■時間■18:50
■場所■銀座テアトルシネマ
■登壇者■林家三平

イベントの様子
林家三平:こんばんは。今日のお客様たちはみなさん上品ですね。映画が本当にお好きでいらっしゃるんでしょうね。
今日、先ほど、浅草演芸ホールで一席もうけてきたんですよ。そこのお客様とは大違い。浅草では「三平、三平、三平」とバナナのたたきうりみたいなコールが響いてました(笑)
わたしは映画が好きでね。昔は父と一緒に月20本位観てました。父が「ダーッ」と芸をやっていた30年代・40年代は日本は高度成長期でね。そんないけいけムードの中、父は人を卑下して笑いを取るのではなく、自分をちょっと落として人を笑わせててね。そんな温かさと優しさのある芸風は、この映画に出てくる喜劇役者たちと通じるものがあるんじゃないかな。

MC:この作品のキャッチコピーは「誰かと生きることの温もりがここにある」ですが、三平さんが思う大切な人との絆とはなんでしょうか?

林家三平:林家一門は絆が強すぎてね。昨日もみんなでご飯を囲んで食べましたよ。一人一人、その日の芸についてとか、こんなことがあった、あんなことがあったという話しをするんですね。そうやって、辛いときも、悲しいときも、楽しいときも一緒にいるんです。
そして、家族といえば、なんといってもわたしのかみさんの国分佐知子ですね。この映画も彼女と一緒に観たんですよ。今日のコーディネートも彼女が考えたんですよ。

MC:この作品では。主人公の喜劇役者ホルヘと、ミゲルという少年が実の親子よりも深い絆をきずいていく姿が感動的ですね。三平さんもいずれお父さんとなることもあると思いますが、未来のお子さんとは、一緒に舞台に立ちたいなど、夢はありますか?

林家三平:咄家は一人の勝負なんです。舞台にでればたったひとり。わたしができるのは舞台にでるまでの後押しだけなんですね。でも、もしわたしに子供ができたら、咄家にしたいと思ってます。そして、その後押しをしたい。
あ、爆弾発言ですかね(笑)まあ、佐知子の血をひいてもらったほうが、(話すときに)“噛まない”子になると思うのでそのほうがいいですよね。

MC: この作品は主人公が喜劇役者だったり、元々監督もコメディアンということもあり、随所にユニークな表現があったりしますが、分野と国は違えど“笑い”という部分で何か共感する部分などはありましたか?
林家三平:映画の中で、食べ物がなくて、家の電球をはずして食べ物に変えるシーンがでてきます。わたしもこれまで、戦争当時にどれだけ人々が食べ物に困ったかという話したくさん聞いてきました。わたしが今の時代にあらためて思うのは、辛い時代に人々が復興を目指して生きていかなければならないときに“笑い”というものがどれだけ大切で、人を救う力になるのかということです。この映画を観て、改めて、そんな思いを強くしました。

MC: まだまだお話しを聞きたいのですが、そろそろお時間が…

林家三平:もうそんな時間ですか?では、最後は謎解きでしめましょう。

おろしたてのわさびとといて、「ペーパーバード 幸せは翼にのって」ととく。

MC:そのこころは?

林家三平:自然と涙が出てしまう

おあとがよろしいようで…
本日はありがとうございました。