0月2日(土)、上映時間4時間38分、全9章というその壮大なスケールで話題になっている映画『ヘヴンズ ストーリー』が初日を迎え、渋谷・ユーロスペースにて、瀬々敬久監督をはじめ、出演者の寉岡萌希、長谷川朝晴、村上淳、山崎ハコ、菜葉菜、栗原堅一、菅田俊、渡辺真起子、本田叶奈(子役)、渡辺芭(子役)、森田晋玄(人形舞台yumehina)、安藤早苗(劇中人形製作・指導)総勢12名による上映前舞台挨拶が行われた。

瀬々監督が、「旅芸人ではないですが、「ヘヴンズ一家」です」とキャストを紹介し、「今回はキャストもスタッフも一丸となって作り上げた、思い入れの非常に強い作品です」という発言に、一同、力強く頷いて、舞台挨拶は始まった。

本作が本格的な映画出演となる山崎ハコが、「役を与えられただけで嬉しいと思ったが、さらにこんな素晴らしい作品になっていて出演できてとても嬉しい」と語れば、主人公を演じた寉岡萌希は「社会の見方、社会に対する考え方が変わる映画です」、と真摯に語り、一方、出演シーンは多くはないものの瀬々監督を慕う渡辺真紀子は「4時間38分という時間は人生の間ではあっという間ですので、是非、「ヘヴンズ一家」に参加する気持ちで映画を観てほしい」と語りかけるなど、登壇した出演者らは、「この映画は是非多くの人に見ていただきたい映画」とこの日を迎えられた喜びを語り、全員が本作を心から好きな様子が伺えた。

長谷川朝晴と菜葉菜は、彼らが演じる夫婦の子供役の渡辺芭ちゃんとずっと手を握り合って、まるで本当の親子のような微笑ましい雰囲気を醸し出している一方、村上淳は息子役を演じた栗原堅一が、緊張でいっぱいいっぱいになったところに厳しくつっこむなど、和気あいあいとした雰囲気で舞台挨拶は進行された。

また、劇中で印象的な場面のひとつでもある人形劇を演じた森田晋玄さんが、劇中と同じ衣装で同じ演目を演じ、その不思議な世界観で、映画館が一瞬別の空間になった後に、この夏に公開を待たずして亡くなってしまった森田さんの師匠で劇中で人形劇を演じる「百鬼どんどろ」こと岡本芳一さんの話題になり、登壇者全員が涙を浮かべる一幕もあり、感極まった瀬々監督は、言葉を詰まらせながらも「映画には未来があると思っています、「命」の長さ、人と人とのつながりというものを感じて、持ち帰っていただき、それを外にもつなげていって欲しい」と力強く訴えかけ、舞台挨拶は終了となった。