映画『春との旅』奈良・薬師寺での映画奉納式&記者会見
『春との旅』仲代達矢さん 平城京遷都1300年の奈良大本山薬師寺を訪問!
薬師寺初となる《映画奉納式》 国宝・薬師三尊像を前に奇跡の実現!
4月15日(木)午後、奈良平城京遷都1300年を記念し、5月22日(土)全国公開の映画『春との旅』の小林政広監督と主演・仲代達矢さんが、この映画が完成の完成を記念して、“どう生きるか”を問うた本作を携え、“どう生きるか”の問いに答えてきた世界遺産・薬師寺を訪問。国宝・薬師三尊像が祀られている金堂にて、奈良では初めてとなる映画奉納式が執り行われました。
シルクロードの東の終着点である奈良は、いわば“旅の終着点”であり、また本作も、足を悪くした老漁師と祖父を健気に支えるその孫娘が、疎遠となった親類縁者を訪ね歩き、老人の“人生の終着点”を探す旅物語です。シルクロードの旅の終着点である薬師寺はまさに相応しい場所であるということで、今回の奉納式が実現致しました。
まるで冬のような寒空の下、奈良の薬師寺にて同寺としては初となる映画奉納式が国宝・薬師三尊像が祀られている金堂にて厳粛に執り行われた。
史上初の儀式に、やや緊張した面持ちで本作の小林政広監督と主演の仲代達矢さんが参列。映画の台本と本編が入ったDVD、そして、映画の顔であるポスターが二人から薬師寺最高管主である山田法胤氏へ手渡された。
主なコメントは下記の通り
(Q:奉納式をされていかがでしたでしょうか?ご感想・ご印象をお願い致します。)
仲代:俳優になって60年になりますが、このような行事は初めての出来事です。我々が作った映画が奉納されることを非常にありがたく思います。
小林:一人でも多くの人の心に残るように祈願しながら、映画を奉納しました。
(Q:本作の役を演じる上で、狙いなどがあればお聞かせください)
仲代:この脚本を初めて読んだ時、ショックというとオーバーですが、すごい脚本だ、と感じました。なんといっても映画は脚本が一番、悪い脚本で良い映画は絶対できません。私は晩年を迎えた老俳優ですが、この作品での小林監督との出逢いを非常に嬉しく思っております。
Q:仲代さんは昨日の試写会で、大阪のお客様とご一緒に映画を見られたということですが、いかがでしたでしょうか?)
仲代:だいぶ前に初号を関係者と試写室で観たんですが、今回はお客さんの中で見ました。若い頃は、自分の出た映画はどうしても客観的に観ることができず、自分の演技だけ見てた気がします。けれども、私もだいぶ年をとりまして、自分の演技はともあれ、映画全体を見られるようにになりました。
昨日見まして、自分で出ててこんな事をいうのは何ですが、「ああ、すごいイイ映画を作ったんだな」と改めて思いました。うかつにも涙を流しました。小林監督の意図、すなわち、音の入れ方、間合いのとりかた、人物の設定、そういうものをもう一度再確認することもできました。この映画に出られて幸せだったなと改めて思っております。
(Q:公開1月前になりましたが、今監督自身どういう気持ちでいらっしゃるのでしょうか?)
監督:こういう規模のキャンペーンをする映画は初めてです。試写会に立ち会いまして、映画館を出て行くお客さんに挨拶したり、ご覧になられた方の色々な表情を直接拝見しました。声をかけてくれる人も沢山いらっしゃいました。この映画の前までの作品では抑えてきた、情感へ訴える演出を、今回は意図して行いました。
一般のお客様の直接の反応を目の当たりにしまして、良いものができたんだな、と改めて思いました。
(Q:薬師如来様の前でどのようなことを感じたか?奈良という土地で奉納された意味をお聞かせください)
仲代:20年ぐらい前、芝居の仕事で薬師寺に来て以来です。
今回の訪問に備えて、予め2冊の山田管主の本を拝見しております。人の生き方についての、非常に明快な考えに感心いたしました。
私は、「生きるとは何か」という問いを根底において、これまで芸能の世界でやってきたつもりです。私は、自分とは何者かを追求することを哲学と呼んでいますが、それは仏法にも繋がるのではないかと思います。初めての経験ではありますが、奉納できたことをありがたく思っております。
(Q:最後に一言)
小林:公開まで1ヶ月ですが、一人でも多くの人に見てもらえるよう願っています。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。
仲代:去年映画をとったあと、2本芝居を終えましたが、今でも『春との旅』への気持ちが強く残っています。監督が言われたように、是非とも多くの人にこの映画をみていただきたいと思います。