映画『ドキュメンタリー 頭脳警察』7日間連続!の公開記念イベントもいよいよ中盤。
7日間連続!の公開記念イベントもいよいよ中盤。
4日目のトークゲストは、元アナーキーで現SDRのシゲルさんこと仲野茂さんと、THE BACILLUS BRAINS(THE日本脳炎)の日野研二さん、そしてツアーから戻ったばかりのPANTAさん。世代の異なるロックの雄3人が登場するや、室内の温度は確実に3℃ほどアップ。
日時:11月10日(火) 場所:シアターN渋谷
ゲスト:PANTA(頭脳警察)×日野研二(THE BACILLUS BRAINS)×仲野茂(SDR,exアナーキー)
頭脳警察を意識して<日本脳炎>というバンド名をつけたという日野さんが頭脳警察に出会ったのは高校生の時。
「『誕生』を初めて聞いたんですが、まだガキで良さがわからなかった。だけどセカンドを聞いた時、歌詞にぶっ飛んだ。『マラブンタ・バレー』とか。こんなことを歌っている日本のロックバンドがいたことが衝撃で。ピストルズやダムド一色だったのがぶっ飛んで、俺も日本語でロックやろうと決意しました。いまの音楽活動も頭脳警察の影響はかなりデカイです!」とやや緊張の面持ち。実際にPANTAさんに会ってみて「PANTAさんの方を向けない。こんなに緊張するとは…」との言葉に場内はあったかな笑いに包まれました。
一方、中学1年の時に頭脳警察の曲に出会ったというシゲルさんは、
「『ふざけるんじゃねえよ』を聴いてぶっ飛びました!当時は歌謡曲やフォークが主流。ロックは大人のイメージで、いきなり頭脳警察に出会っちゃったから。それで俺もロックやりたいと思って。頭脳警察は憧れです!アナーキーの詞の半分くらいはPANTAからパクッてます!」と堂々の告白に場内またも爆笑。
そんなシゲルさんにある日PANTAさんとの対談の話が。折りしもPANTAさんが『KISS』というアルバムを出した直後で、このアルバムは頭脳警察ファンの不買運動が起こったいわくつきのアルバム。
「俺許せなくて。憧れ故に。でも会いたくてしょうがなくて。そしたら対談のときにスコーピオンに乗ってPANTAが颯爽と現れて。それで対談の間中、俺はPANTAのメットを被ってずっと沈黙してました」
PANTA「口を利かなかったんだよ(笑)」
そして話は互いの音楽活動に及び。PANTAさんはTHE BACILLUS BRAINSをYouTubeで見ていたとのこと。以下、実況。
PANTA「かなり怒鳴りたてるね」
日野「そういう暴力的な衝動は頭脳警察の影響を受けてますね。『戦慄のプレリュード』とか頭から離れない!」
シゲル「解散して活動してない時期なのに影響を与えてるなんて、頭脳警察はスゴイよね!」
PANTA「俺今日いない方がよかったかもしれない(笑)。褒められてんだかけなされてんだか!」
シゲル「そもそもどうしてまたやりだす気になったの?」
PANTA「結成から40年を迎えて、それまでセレモニーみたいなことはやってこなかったけど、40年目くらいはいいかなと」
シゲル「PANTAとTOSHIが一緒にいるだけで夢のようだよ!」
PANTA「居酒屋モードになってきたね(笑)。19の時からこの歳になるまで一緒にやってられるってだけで幸せだよね。ロックミュージシャンに感謝って言葉は似合わないけど、ありがとうという気持ちでいっぱいだよ」
司会「そろそろ映画のお話も…」
日野「本でしか知らなかった頭脳警察の当時の映像も垣間見れて良かった。60を迎える年齢になってもギターを弾いて人前で叫べるという、そんな歳の取り方に憧れます。ブレがない人だということを映画を見て確認できました」
シゲル「すいません!まだ見てません!」場内爆笑
最後にパンタさんから後世代のミュージシャンにメッセージ。
「19 で頭脳警察を始めた時からずっとコピーを拒否してきたんです。全部日本語で歌う、誰のマネもしない、下手でもいい、でもやり続けると。ところが30になったある日、ロダンの言葉に出会った。『模写を恐れてないけない。模写はその人の手を動かす前に心を問うからだ』と。模写をするなではなく『恐れてはいけない』という言葉に愕然とした。俺は実は臆病だったんだと思い知った。好きなんだからしょうがない。真似して真似して真似しまくってそれで終わってもいいじゃないかと。もしかしたらその人と対峙するときが来るかもしれない。もしかしたらそこから自分らしさが芽生えてくるかもしれない。それ以来、若手のミュージシャンには思いっきりコピーしろよと。180度考え方が変わりましたね。それが原点としてあります」
すると横で聞いていた日野さん、
「本で読んでたことが生で、しかも横で聞けて感動しまくりです!幸せ者です!」と感動しきりのご様子でした。
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