村上祐介監督の初長編作品『カケラ』が上映された。本作は、実際に監督が留学してホームシックになった時に感じた、人のさみしさを描いた作品である。
上映後、村上監督が登壇し、観客の質問に答えた。

孤独な自分だから人の寂しさを放っておけない…優しい人たちの心温まる物語。
幼少時に施設で育ち、人知れぬ孤独感を抱えている松江貴広は、ある日、ホームレスの少年に出会う。自分と似た境遇のその少年に同情した貴広は、一緒に住まないかと切り出す。そんな中、アルコールに倒れた外国人も介抱する事に・・・。

以下Q&A

Q、タイトル『カケラ』の意味は?

「留学して、自分自身が感じた寂しさを映画で表現したかった。小さい世界を描きたくて、社会の小さな所という意味でタイトルを『カケラ』にしました。」

Q、子役はどのように選ばれましたか?

「オーディションで選出しました。それ以前に子役が入れ替わりに辞めてしまい、本作に出ている子役は4人目でした。子役が辞めてしまうと、再度撮り直ししなくてはならないので大変でした。」

Q、次回作の予定は?

「本作ほど長くはないですが、また長編を撮りたいと思っています。自分の気持ちを長編で表したいです。今度はカップルの話でもと考えています。」

Q、優しくて、人と人とのコミュニケーションが下手で不器用な主人公3人を描いた理由は?

「この3人それぞれのキャラクターに自分の分身が出たのだと思います。貴広は割と今の自分自身の状態であり、ロバートは自分が留学時代になじめなかった気持ちが反映されていると思います。またそのような気持ちから救い出したくて、3人のキャラクターに据えました。」

(Report:竹尾有美子)