19世紀から続く華族制度により極端な格差社会が生まれる架空都市<帝都>で、富裕層のみをターゲットとし、次々と美術品や骨董品を魔法のような手口で盗む「怪人二十面相」の出現が世間を騒がせていた。人は彼を「K-20」と呼ぶ。

『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズを生み出した日本テレビと、日本を代表する制作プロダクションROBOTが再びタッグを組んで作り出した、アクション・エンタテインメント『K-20 怪人二十面相・伝』の製作報告会が27日(水)に行われ、「K-20」に騙され「K-20」に仕立て上げられた主人公・遠藤平吉 役の金城武、「K-20」に狙われた令嬢・羽柴葉子 役の松たか子、その婚約者であり「K-20」を追う探偵・明智小五郎 役の仲村トオル、監督・脚本を務めた佐藤嗣麻子らが登壇し、本作の全貌を明かした。

まだ編集中とのことで、一切内容については触れられない会見ではあったが、金城は一言「K-20はサイコーです!」と自信たっぷりの笑みを見せ、松は「公開までまだ時間がありますが、そのための一歩を踏み出しているのでドキドキしています」と緊張気味に語った。そんな松に仲村は、「松さんとは9年ぶりくらいの共演だったので、“大人になったなー”と思いました(笑)。金城さんとの撮影もとても楽しかったです」とほほ笑んだ。

誰もが知っている怪人二十面相について、「ヒーローだけど、この映画での怪人二十面相は二枚目、三枚目の部分もあるので、おもしろい要素も足しながらコメディとして演じました(笑)」と語るのは金城。監督曰く「『ローマの休日』のオードリー・ヘプバーンをイメージして作った」という松が演じる令嬢について、当の本人は「育ちがよく、無邪気なんです。でも無邪気なほど残酷ですからね。新しい出会いを通して、彼女は違う世界を知り成長していくんです」と何とも意味ありげな発言。

仲村は「撮影中に監督から“自信を持って演じるように”と言われたんですが、いつも元気で明るい監督が何故か“カット!”の声は小さいんですよ。その度に、今のはOKなの?NGなの?と、自信を失うことがありました」と明かし、それには金城と松も笑いながら頷いていたようで、監督も思わず「あまり大きな声出すの得意じゃなくて……すみません」と照れ笑いを浮かべていた。

本作は監督のオリジナルストーリーであるが、江戸川乱歩の「怪人二十面相」についての思い出はというと、「僕は小さい時に台湾の日本人学校にいたんですけど、そこに本があった気がします。少しだけ読みましたが、読みやすく、どんどん次が読みたくなる内容でした」(金城)、「探偵ものは好きだったので、小さい頃から読んでいました。TVでドキドキしながら観たりもしていました。明智小五郎は幼心に“色っぽいなぁ”と思ったものです(笑)」(松)、「僕の家はエッチなものは禁止だったので読んだことはないですね(笑)。だからこそ、監督の脚本は真っ新な気持ちで読めました。すぐやりたいと思いましたね。こんなにすごい世界観が、映画の企画として通る時代になったんだなって思いました」(仲村)と、思い思いに語った。

その後、怪人二十面相のトリックにちなんで、光と影をモチーフにしたあっと驚くイリュージョンがお披露目されると、監督・キャストをはじめ、マスコミ陣からも多くのフラッシュがたかれ、会見の場は大いに盛り上がりを見せた。

(Report:Naomi Kanno)