世界最高のクリエーター”ミシェル・ゴンドリー×レオス・カラックス×ポン・ジュノ”奇跡のコラボレーション!
強烈なオリジナリティをもつ3人の監督が、豪華キャストを迎え、”世界で最もクールな都市”TOKYOを舞台に、新たなる日本映画を誕生させる。

月16日(土)の公開を控え、ポン・ジュノ監督、レオス・カラックス監督の来日に続きまして、ミシェル・ゴンドリー監督来日が来日し、記者会見を本日行いました。当日は『TOKYO! <インテリア・デザイン>』の原作者で共同脚本のガブリエル・ベルも出席し、和やかな会見となりました。

◆最初この企画を聞いたときの印象と、実際に参加された感想をお聞かせ下さい。

ミシェル(以下、M):私もレオス(・カラックス)の大ファンでした。彼とは年齢はあまり変わらないのですが、彼のデビューが早かったこともあり、彼の作品を見て育ちました。ポン・ジュノ監督は最近の作品を観ていて、非常に強いものを持った監督だと思っていました。そのお二人と一緒にできてとても光栄でした。

ガブリエル(以下、G):まさか二人とご一緒できるとは、夢のようでした。

◆藤谷さん、加瀬さんを選んだ理由をお聞かせ下さい。

M:藤谷さんは、初めて会ってすぐにこの役だと確信をしました。ひとつは、ガブリエルが描いたモデルになった人物にルックスが似ていたんです。普通の俳優に比べてナチュラルな資質を彼女は持っている。伝統的でないというか、そういうトーンをもっていて、モデルが出演していると言うよりは本当の人間がそこに存在していると言う感じを、作品に出すことが出来ました。映画を観たときにそのキャラクターが出ている感じがするということが我々にとってはとても大切だったんです。
また、加瀬さんについては、藤谷さんと似ているのですが、彼にこの役はどうかなと思った瞬間に他の役者が色あせて見えました。彼しかいないと思いました。

G:とてもシリアルな資質を持っていて、ルックスも合っていると思いました。
今回の決め手は理性的なものというよりフィーリングで、なかなか説明しづらいです。

◆監督とガブリエルにとって、東京の印象と、実際に撮影してみた時の東京の感想をお聞かせ下さい。

G:とても皆さんシリアスで仕事熱心で非常にその姿からインプレッションを受けました。皮肉めいたところもないし、ユーモアのセンスも持ち合わせていました。

M:街の印象については、例えば動きが早いのと同時にとても静かな街という印象。NYも流れは速いので、NYと比べると遅い気もするけどそれでも速いと思う。そして、静かだと感じますし、自己表現も日本人は抑えたところがありますよね。

G:色々なところを回って、人と知り合うにつれて私達との差と言うよりも似ているところに目が行くようになってきました。

M:日本といいますとルールとか礼儀を守るということはいいことだと思う反面、撮影の際は少し、時間や柔軟性について不安に思っていて、他の人から聞いていた公的機関の融通が利かないので撮影が難しいという点も気になっていましたが、想像力のあるプロデューサーとスタッフたちがその印象を変えてくれました。
スタッフは小さい規模でしたが、非常に動きが速かった。スタッフの方には不運なことに、組合がないので、監督としては幸運なことにクレイジーな時間まで撮影を続けることが出来て、まるで40年代のアメリカ映画のように、一日でこれだけ撮れるんだということを感じながら野心的な映画作りをすることが出来ました。

◆今回は原作がNYが舞台ということもあって、東京で撮るに当たって変えようとした部分はありましたか?

M:確かに二つの街は差があるのですが、あまりに違いすぎると言うことであれば、この作品は選ばなかったと思います。この原作は非常にやりたいことがはっきりしているキャラクターとやりたいことがはっきりと言葉に出来ないキャラクターが登場します。NYや東京もそうですが、非常に競争が激しい場所です。そこに住む人は自分の声がはっきりしている人のほうが機能しやすい場所だと思います。アメリカの中でもNYという街は、何かを成し遂げる場所と言われていて、多分東京も日本の中ではそのような位置づけなのではと思います。

他の国も同じようにパリや、アーティスティックな夢があっても、大都市の方が見つけられるということがあると思います。ただ今回は違うところもありながら、作品作りについては似ているところに焦点を当てました。差があるとすれば、表面的に分かりやすい形で扱っています。例えば、建物のスキマと言うのが印象的で、初めて東京に来た時から興味を持っていた。

G:NYでも人が重なり合うように住んでいるのですが、東京ではさらに狭いところで暮らしている。そのことがより物語を際立たせると言う気がしました。ヒロコとアキラのカップルが東京にやってくるけど、狭い場所しかない、その部分が際立ったのではと思います。