第20回東京国際映画祭:『ハーフェズ ペルシャの詩(うた)』記者会見・舞台挨拶
ゲーテにも影響を与えたといわれる伝説の詩人、ハーフェズにインスパイアされた美しい愛の神話。
イラン版「ロミオとジュリエット」
現在の日本映画界を牽引している女優・麻生久美子の海外初進出作品にして、イランの鬼才・アボルファズル・ジャリリ監督待望の最新作で、第20回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されております 『ハーフェズ ペルシャの詩』 のメイン上映に伴い、記者会見及び舞台挨拶を行いました。
登壇者:アボルファズル・ジャリリ監督、麻生久美子
——まずは監督と麻生さんからから一言お願いします。
監督:名刺を渡したいんですけど、持ってないんです(笑)。
今日はありがとうございます。
麻生:私にとって初めての外国映画です。
とても貴重で、宝物の映画です。
——麻生さんを起用した理由は何だったのでしょうか?
監督:麻生さんはイラン人的な内面を持っていらっしゃると思います。
現場にとても溶け込んでいて、家族のような感覚でした。
——麻生さんは、「いい意味で期待を裏切られた」と
仰っていましたが、それはどのような事ででしょうか?
麻生:まず台本を読んで素晴らしいと思いました。
周囲の方々からは「でも現場ではすごく変わるよ」と聞いていました。
実際に現場では、予想外のことがたくさんあって、完成した映画を見て、素晴らしい!と思いました。
——宗教的なルールで、目を見てはダメ等の事がありますが、
“声で恋をしてしまうこと”についてどのように感じましたか?
麻生:目を見るのが罪と聞いて衝撃を受けました。
すると、目が合うだけで、ドキッとしてしまいました。
ナバートとハーフェズの設定が新鮮でドキドキしました。
——日本と、イラン、二つの国の映画に出て、如何でしたか?
麻生:私が日本人女優としてイランの映画に出ると言うと、周囲に心配されました。
でも行ってみると皆さんが素敵で大好きになりました。
とてもユーモアがあって毎日を楽しんでいる。
私が今回のような形で映画に出演して、イランと日本の架け橋になれればと思っています。
——麻生さんには、ペルシャ語とアラビア語の台詞があったわけですが、
監督は麻生さんの言語についてどのように思われましたか?
監督:私は普段プロの俳優を使わないので、とまどいもありましたが、麻生さんはとても覚えが早かったのです。
——ハーフェズ(イランの偉大な詩人)の詩は、イラン人にも
分かりにくいほど難しいですが、何故ハーフェズを用いたのでしょうか?
監督:僕の大好きな時間の過ごし方は、砂漠で星空を眺めているときで、そこで色々な事を考えます。
大きな世界でちっぽけな人間なんだと思うのです。
そういう素敵な気持ちをすぐに大好きな人に伝えたいと思い、携帯電話をかけるんです。相手に、どこまでその気持ちが伝わるかわかりませんが、“伝える”という事が大切なのです。
——ロマンチストですね。
麻生:今、初めて知りました。こんな風に口説かれたいですね。
——最後に一言、お願いします。
監督:この映画の制作に関わった多くの方に感謝しいます。
僕は、素人の方を集めて映画をつくります。
そして、ひとつの家族になるのです。
彼らが、日本の皆様によろしく、と言っていました。
この映画の上映にお付き合い下さった皆さま、
ありがとうございました。