世界のキタノ監督が狂った!?映画『監督・ばんざい!』完成披露試写会
現在開催中のカンヌ国際映画祭「世界の映画監督35人」ワールドプレミア上映で世界の喝采を受けた北野監督の最新作『監督・ばんざい!』の完成披露試写会が、5月24日にお台場で開催された。
次回作に悩む“おバカ”な映画監督キタノ・タケシがヒット作を作ろうと挑戦するも、そこには様々な困難が。その時、地球には危機が迫っていて—!?というストーリー。黒澤明、今村昌平ら巨匠との仕事で知られる池辺晋一郎が音楽を担当。初めて本格的なVFXを使用するなど新たな試みも。
プレミア上映となる本イベントに来場したのは、カンヌ帰りの北野武監督、江守徹、岸本加世子、鈴木杏、吉行和子、内田有紀、松坂慶子、蝶野正洋、天山広吉。
この日はカンヌ映画祭に出品された短編作品「To Each His Own Cinema」も日本では初めて上映された。江守徹が演技についての質問に答えていたところ北野監督が「全部ネタを言わないでよ」と突っ込み笑いが巻き起こった。また、「『TAKESHIS’』で落ち込んで、この映画で狂って、次に撮る予定の映画で反転するという、三部作にしてDVDにして買って頂こう。」と冗談を飛ばし、歯切れの良いトークで場内は笑顔と拍手に包まれた。
●北野武監督:「海外で試写をして、これほど意見の別れた映画も珍しいかもしれない。片方は最高傑作、片方は金返せという(笑)徐々にくだらなくなり、最後には笑うしかなくなってしまう。皆さんの人生だと思って見てほしい。これでこれまでのキャリアを一度終らせて、また次から巨匠に戻ろうかと思います(笑)どういう評価を受けてもお客様の答えが一番正しいんです。」
(カンヌではちょんまげと羽織袴で歩いていましたが?)
「ちょんまげのカツラを隠し持っていたらヴィム・ヴェンダース 監督に見つかってすすめられて被りました。」
(短編について)
「35作品中、大体上位5番目くらいに入っていると思う。」
●江守徹:「映画の中で凄いことをやっているので、是非笑ってほしい。」
●岸本加世子:「何度も見たくなる作品です。最高傑作ではないかと思っています。」
●鈴木杏:「出演が決まったと聞いた時は、自分みたいな小娘が一体何の役を、と思いました。」出来上がった映画を見たらあまりの凄さに愕然としてしまいました。」
●吉行和子:「私の役はメイドの役なので、メイド喫茶のような格好をさせてもらえるのかと期待していたのですが、撮影に行ったら北野監督のイメージは既に決まっていて、衣装を着て楽しく撮影できました。」
●内田有紀:「今回は色々な役をやらせて頂いて、一度に四度楽しい経験をさせて頂きました。本当に幸せで舞い上がってしまってよく覚えていない状態ですが、楽しく撮影させて頂きました。」
●松坂慶子:「私は小津監督の世界のような場面に出ているのですけれども、北野監督は普段は寡黙な方なので、作風がぴったりだと思いました。私は小津監督の映画には出ていないのですけれども、これで夢が実現したという感じです。」
●蝶野正洋:「今回はいち映画ファンとして参加させて頂きました。」
●天山広吉:「今回映画初出演で、しかも北野監督の映画ということで、聞いた時は舞い上がりました。自分なんかでいいのかな、という感じで非常に興奮し、撮影の方も遠慮なく暴れて下さいと言われたので、ガンガンやりましたので、よろしくお願いします。」
奇想天外、予測不可能、そして最後には幸福な映画への愛で満たされる。6月2日(土)より短編同時上映で全国ロードショー、豪華キャストで贈るウルトラ・バラエティ・ムービー『監督・ばんざい!』から目が離せない。
(池田祐里枝)