京から江戸に下った豆腐職人永吉と深川育ちの娘おふみ・・・
味覚の違い、しきたりの違いなどで苦労しながら大通りに店を構えるまでの夫婦と子供たち2代に渡る愛情と葛藤の歳月を描いた直木賞受賞作の映画化!
原作者・山本一力初の長編小説であり、市井の人々の様々な人間模様を細やかに描写する著者得意の分野を確立した記念碑的名作と言える。殺伐とした現代だからこそ“家族”という一番小さな単位を見つめ直し、力を合わせて困難に立ち向かっていくことの大切さを爽やかな感動とともに教えてくれる。

3月31日『あかね空』の初日舞台挨拶が新宿ガーデンシネマにて行われ、中谷美紀、内野聖陽、武田航平、細田よしひこ、柳生みゆ、浜本正機監督が登壇した。

中谷は艶やかな着物姿で登場し、内野演じる永吉の妻で3人の子供を持つおふみ役について「私は31歳なんですが、3人の子供が居て一番上は21歳なんです。普通に考えたらちょっと無理ですよね。」と笑いながら話した。永吉のような夫はどうですか?と聞かれると「頑固な職人気質の人は素敵だと思います。だから私は永吉さんが大好きです。」と答えた。

内野は永吉について「永吉って人当たりがよく、優しいんですがとても頑固なところがあります。その頑固なところが自分と似ていますね。あとここまで“おやじ”を演じるのは初めてで、今は結婚していますが当時はしていなかったので、“親になるってどうなんだ?”と思いながら演じました。」と話した。

次男悟郎役の細田は「悟郎は父の背中を見て育った子供なので、僕も内野さんをよく見ていました。打ち上げのときに“内野さんを超えたいです!”なんて大きいこと言っちゃいました。(笑)」と言うと会場から笑いが起きた。

長男栄太郎役の武田は「僕は内野さんの舞台を観たときに“こりゃ超えられないな”と思ったので、自分は自分らしく行こうと思いました。誰かみたく超えたいなんて言えません!」と言い、隣に居た細田は苦笑い。

末っ子おみき役の柳生は「中谷さんとは撮影の合間によく一緒に遊びました。」と中谷と仲の良さを語った。

最後に、浜本監督が「長い期間かけて丁寧に作りました。夫婦・家族の愛について描いているので皆さんに何か感じていただけたらと思います。」とコメントし舞台挨拶は終了した。

明けない夜はない・・・夜の闇があかね色の朝日で染められていくように、幾多のつらいことや悲しいことを乗り越えていったときに訪れる人生の充実感や願いや夢や・・・
そんな想いに満ち溢れた感動作である。

(koya)