「チョコレート」では主演のハルベリーにアカデミーショーをもたらし、「ネバーランド」では主演男優賞(ジョニー・デップ)や作品賞を含め7部門でアカデミー賞にノミネートされ、作曲賞に輝いたマーク・フォースター監督。
今回ナショナル・ボード・オブ・レビュー脚本賞受賞、ゴールデングローブ賞ノミネート作品「主人公は僕だった Stranger Than Fiction」を引き下げ初来日となりました。

今回が初来日となったマーク・フォースター監督から日本についての印象。
Q「日本に来られて本当に嬉しいです。前から日本の文献などを読んで日本に興味を持っていました。特に日本の建築には興味があります。ぜひ日本で映画を作ってみたいです。町の人たちの印象はフレンドリーで町の様子は綺麗ですね。スイスに似ていると感じました。」

Q今作は脚本がユニークですが読んだときどう思いましたか?
A「コンセプトである人の運命は変えられるのか、変えられないのかという所が情熱的に感じました。作品自体には、死に対して深く考えずユーモラスが沢山溢れていると思いました。」

Q今回の作品はコミカルな印象を受けましたが、コメディーというジャンルなのでしょうか?
A「コメディーは今まで作ってみたいとは思っていましたが、ユーモアやセンスが合うのとめぐり合える機会がありませんでした。私はヨーロッパ出身なのでアメリカンコメディーとはまた少し違ってくる作品だと思います。」

Q音楽が素敵ですが今作のこだわりは?
A「映画によってアプローチの仕方は違いますが、今までは一人の人に任せてすべてやってきました。しかし今回はスーパーバイザーとしてブライアン・レイツェル氏を向かえ、スプーンのブリット・ダニエル氏に数曲担当してもらいミックスしながら作り上げていきました。」

Q作品をとる上で意識していることは?
A「私の作品つくりの幅は広く、毎回勘に頼っています。私は監督には二種類あると考えています。一人はヒッチコックのようなスリラーばかり同じ系統の作品を撮る監督、またビリーワイルダーのように常に違うジャンルに挑戦していく監督がいると考えています。私はその後者に当たると思います。
違うジャンルに挑戦することはリスクはありますがよりクリエイティブになれると思っています。」

Q日本で映画を作るアイディアはもう考えているのですか?また注目している監督はいますか?
A「まだアイディアは考えていません。しかし、日本の建築物には非常に興味があり沢山のインスピレーションを受けます。日本の監督黒澤明さんは巨匠ですね。小津安二郎さんも好きです。」

Q日本でこれから作品を見るたちへ監督から作品で伝えたいこと一言をお願いします。
「この作品は生命を肯定しています。ポジティブな考えは今の世の中に必要だと思います。自分自身で運命が切り開けると言うことが伝いえたかったです。」

(大野恵理)