松山ケンイチ登場に会場が揺れた! 夏目漱石も登場! 『ユメ十夜』ドリームプレミア
明治の文豪、夏目漱石の短編「夢十夜」。「この作品が理解されるには100年かかるだろう」という漱石の予言から100年後の2006年、日本を代表する10人の監督が挑戦した映画化、それが『ユメ十夜』だ。1月11日、東京・九段会館にて『ユメ十夜』ドリームプレミア試写会が開催され、監督、キャスト総勢11名による大舞台挨拶が行なわれた。
期待が高まる中、幕が上がると、そこはライブ会場だった!観客の目の前に突如現われた山田タマルさんが、主題歌「手」を熱唱!
そして、ついに監督とキャストたちの名前が呼ばれた。歓声とどよめきの中、続々と入場。清水崇監督、堀部圭介さん、清水厚監督、豊島圭介監督、TOZAWAさん、河原真明監督、山下敦弘監督、西川美和監督、緒川たまきさん、山口雄大監督、そして最後に松山ケンイチさんの名前が呼ばれると、会場は、悲鳴にも似た大歓声に包まれた。
第三夜からは、清水崇監督。「撮影は楽しかったですね。僕はスケジュールの都合上、皆さん監督がすっかり完成した後に堀部さんにお願いして、一番最後に作ることになったんですが、他の監督と同じ条件でやりたかったので見ないで作ることにしました。」第三夜で夏目漱石を演じた堀部圭介さん。「夢十夜の原作は、お話を頂いてから読んだんですが、個人的に第三夜が面白いなと思って、その第三夜をたまたま頂いてすごくラッキーだったなと。去年実は前厄に入ったんですけど、案外いいことあるものだなと思って。今年は本厄を迎えるですけど、これから先はちょっと怖いなと思っているんですが、公開は是非よろしくおねがいします。」
第四夜からは、清水厚監督。「僕は先週、後厄が明けましたので、これを機会にいいことが続くんじゃないかと思っています(笑)。作品の中で、素敵な山本耕史さんの姿をご覧になってください。儚い作品になっているので、ファンタジックなものが好きな方には特に喜んでいただけるんじゃないかと思っています。」
第五夜からは、豊島圭介監督。「原作は「走れメロス」のような話なんですけれども、男性の主人公を女性に変えて、市川実日子さんに、待っている男を大倉孝ニさんに演じてもらいました。いろんな苦労をして作った映画なので、楽しんでいただければいいなと思っています。」
第六夜からは、運慶を演じたTOZAWAさん。「第六夜は原作にかなり忠実に作られているんですが、松尾スズキ監督により奇抜なアレンジが加わり、それに僕のダンスワールド融合することによって、かなりインパクトがあるエンターテインメント作品になっております」。そうしてストリートダンサーであり、振付師でもあるTOZAWAさんは、彼の独自のダンスワールドを披露し、観客を驚かせた。
第七夜からは、河原真明監督。「皆さんと毛色が変わってアニメーションになっています。グラフィックはファイナルファンタジーのキービジュアルを描いている天野喜孝さん。見ごたえがあるんじゃないかと思いますよ。音楽もオリジナルで作って頂いたので、結構はまっているので楽しみにしてください。」
第八夜からは、山下敦弘監督。「脚本は長尾謙一郎さんという漫画家の方と作ったんですけど、夜な夜な居酒屋で語り合ってできた結果が第八夜になっていますので、あったかい目で見てください。藤岡弘さんが素晴らしいので、楽しんで見てください。」
第九夜からは、西川美和監督。「夫を戦に取られた奥さんが子供と二人残されて、その無事を祈って、毎夜毎夜、お百度参りに行くという原作なんですけど、太平洋戦争の末期の設定に置き換えまして、奥さんを緒川たまきさんに、夫をピエール瀧さんに演じていただきました。夫婦のコミュニケーションのうまくいかなさが表現できたらなと思いました。夏目漱石の原作の文体が非常に美しかったので、世界観を損なわないようにと思って描きました。見どころは何といっても緒川さんの美しさで、夜通しお百度参りを裸足になられて朝まで歩いてくださったんですけれど、本当に艶やかできれいに撮れたなと満足しておりますので、どうぞ楽しんでください」。そして、出演者の緒川たまきさんは、「「夢十夜」という作品は十代の頃からとても好きな作品だったものですから、映画化されるという話を聞いたときには、あんなに奇想天外な夢の話がどうやって映像になるんだろうと、ワクワクしてニュースを聞いたんですけど、自分が出演させていただくことになりまして、本当に夢がかなったような思いました。お百度参りというのも、これから先の人生で恐らくそこまで真剣に願をかけることもないだろうと思って、憧れの行事で、この機会にお百度参りを踏めて良かったなと思っております。皆様もお百度参りをここで覚えて帰っていただきたいと思っております」。
第十夜からは、山口雄大監督。「十夜は原作からハチャメチャな感じのテイストで、主人公、松山ケンイチくんが豚と戦うという奇想天外な話で、かなりパワフルな、ハチャメチャな10分になっていますので、さっきみたいな歓声をあげて見てもらえるとちょうどいいと思います。」
そして、十夜主演の松山ケンイチさんは、「豚と戦うという、現実ではめったにない機会を疑似体験させてもらって、すごく勉強になりました。コメディーははじめてに近いんですけど、だから見ている方たちも、もしかしたら笑っていいところか良くないところか分かんないなって思うかもしれないんですが、面白いんで笑ってください!」。
最後は、夏目漱石人形と、日本音響研究所によって再現された声も披露され、大盛り上がりの中で舞台挨拶は締めくくられた。
(M.NIBE)