市川崑監督によって76年に作られた『犬神家の一族』は、当時社会現象となるほどの大ヒットを記録。そのリメイク作がついに一般公開となった!初日舞台挨拶には再び金田一耕介を演じた石坂浩二、松嶋菜々子ほか主要なキャストが登場した!以下、登壇者のコメントを紹介する!

石坂浩二「この作品のお話をいただいたときは、驚きと同時に非常にうれしかったですね。本当に映画を愛する人たちに囲まれて、しかも素晴らしい作品に仕上がって感無量です。30年前の作品と比べるとドラマ重視になっていると思いますね。前作と比較してもいいし、この作品はこの作品として観てもおもしろいし、いろんな見方で楽しんで欲しいですね」 

松嶋菜々子「30年前の珠世に劣らないと少しばかり自負しております。現場はいい緊張感が保たれていて、非常に充実して取り組むことができました。撮影中はカメラの後ろの監督に身をゆだねていた感じですね。監督に「この作品はメロドラマなんだよ」といわれてはっとしました。印象的だったのは、石坂さんの現場との関わり方ですね。撮影中も照明やカメラのスタッフを手伝ったりしていて、こういう楽しみ方もあるのだなと、とても勉強になりました。これほど金田一にぴったりな人はいないと思いました」

富司純子「撮影はほんとに楽しかったですね。石坂さんが三時にヤクルトをおやつに出してくださったのを覚えています。やはり市川組は照明が素晴らしい。目玉焼きができるほどに照明をあてていただいて(笑)、女優冥利に尽きます。親子での共演については、撮影中は完全に忘れていましたね」

松坂慶子「以前から市川監督とお仕事したいな、と思っていたのですがあいにく縁がなく、監督わたしのこと嫌いなんだろうな、と思っていました(笑)。でも誤解でしたね。撮影中はすごい方々に囲まれいっぱいいっぱいだったのですが、監督が「楽しんで」と声をかけて下さって、それですごく落ち着いて演技ができました。」

萬田久子「美しい作品になっています。まさに市川ワールドといった世界ですね。三姉妹の雰囲気は作中ではぎすぎすしていますが、現場では撮影の合間にペットや子供の話をしたりとリラックスしてやれました。」

深田恭子「独特の現場でした。はじめ石坂さんとお会いした時は金田一の格好をしていらして、それがあまりにもぴったりだったので石坂さんか金田一さんかわかりませんでした(笑)。石坂さんは“博士”みたいな人でした(笑)」

奥菜恵「市川監督の現場はほんとうにエネルギッシュで素晴らしい作品になっています。人が作ったものにはその人の想いがこもるのだな、と思いました。それほどに多くの人がこの作品に力を注いでいます。撮影中は必死でしたね。蛙が苦手なので蛙をにぎるシーンは失神しそうになりましたが(笑)」

市川監督「この作品は原作が見事な出来です。再び映画にするとなると、どうすれば現代にこの作品が存在できるかと考えました。脚本は前作とほとんど変えていませんが現代に通用する作品に仕上がっていると思います」

この後、有名な湖に浮かぶ逆さまの二本足が登場!!これは実際に撮影で使われたものだという。そして、二本足を囲んでくす玉を割って舞台挨拶は終了した。この作品を最上のミステリーとして楽しむもよし、前作とどう異なるのかどこが同じなのか比較するもよし、この市川監督渾身の作品をぜひとも劇場でご覧ください!

(oki)