『めぐみ—引き裂かれた家族の30年』完成披露試写会。監督夫妻と横田夫妻が舞台挨拶に出席
北朝鮮による拉致問題によって引き裂かれてしまった横田夫妻。拉致問題発生からその苦しみの30年間を描いたドキュメンタリー映画『めぐみ—引き裂かれた家族の30年』が11月、日本で公開される。その完成披露試写会が、なんと横田めぐみさんの42回目の誕生日である10月5日に行われた。そこでは舞台挨拶が行われ、クリス・シェリダン監督、パティ・キム監督夫妻と横田早紀江さん、滋さんご夫妻が出席した。
「めぐみが42歳の誕生日を迎えるこの日、こうしてパティさん、クリスさんのご努力によって、この本当に素晴らしい映画を作っていただき皆さんに見ていただくことができて本当に喜んでおります。30年近く、拉致問題と戦ってきました。私たちのような庶民、普通の人間が被害に合い、こんなにも長い間戦い続けて、そしてようやく拉致問題が国際的にはっきりとわかってきたという大変大きな意義がこの映画にあります。この映画を見て拉致問題を再認識いただければと思います。」(横田早紀江さん)
「この映画を作ると聞いた時、日本ではおそらく見ることができないと思っていました。まぁ、夫婦の争っているところとかお恥ずかしいところもありますが、めぐみの誕生日であるこの日に、完成披露試写会を行えたということは非常に感慨深いことです。拉致問題がいかに大変な問題であるかが描かれているので、たくさんの方に見ていただきたいと思います。(横田滋さん)
アメリカではすでに一部で公開されているこの作品だが、監督の下に返ってくる反応は予想を超えるものだったようで、「我々の想像を超えたものすごい反応を頂いております。制作当時からきちんとお伝えするようなものを作ればきっと伝わると思っていました。日本の物語というとらえかたではなく、非常にヒューマンな、人間の物語だととってもらえると確信していましたが、それがみなさんに伝わったみたいです。」と語った。
舞台挨拶の最後に横田早紀江さんは次のように語り挨拶を終えた。
「生の人間の生活そのものをさらけだして描かれていて、普通の人間がこんなに苦しまなくてはいけないこと、人生を変えられてしまったことが描かれていて感動いたしました。今日はめぐみの誕生日ですが、毎年毎年、その誕生日をゆっくりと味わえないほど不自然な生活になってしまっています。でも、こうしてめぐみのことを映画に描いてくれ、この日に皆様の前に披露できることは、何よりに誕生日祝いだとおもいます。」
(林田健二)