2003年に放送されたTVドラマ「大奥」で多くの女性の支持を受け、その後も2004年「大奥 第一章」、2005年「大奥 華の乱」と続く作品でその人気を不動のものにした大奥シリーズがついに映画化する。
これまでも女の園・大奥に渦巻く女たちの愛情、欲望、嫉妬、執念を描いてきたが、今回映画となるのは大奥史上最大のスキャンダルとされている「絵島生島事件」。これまでのTVシリーズとは異なり、物語は禁断の悲恋を軸に展開される。
気になるキャスティングだが、今回も大奥ならではの顔ぶれが揃った。若くして大奥総取締に昇格した主人公・絵島に仲間由紀恵。絵島を中心に物語をきらびやかに彩るのは高島礼子、井川遥、西島秀俊、及川光博、杉田かおる、松下由樹、浅野ゆう子ら豪華俳優陣。京都撮影所で撮影が行われる本作では「御鈴廊下」が史実に基づき再現されるほか、一億円以上かけて新調される豪華な衣装も見所になっており、シリーズ最終章を飾るにふさわしい作品が出来上がること間違いなしだ。

この日行われた製作記者会見は歴代のもの加え、本作でも使用されるという美しい内掛けに飾られた会場で行われ、林徹監督、脚本家の浅野妙子さん、そして出演者達が『大奥』にかける意気込みを語ってくれた。
「TVドラマのディレクターを16年やってきて、一番大切にしていた「大奥」を映画というメディアで製作できることに感謝しております。TVドラマよりも大きくスケールアップしたものを作りたいと思っています。」と語ったのは本作で映画監督デビューを果たす林監督。放送当時からの「映画にしたい!」という長年の思いが叶ったと言う。

仲間さんは大奥初参加となるが、「とても好きな作品だったので映画化の話を聞いた時はとても驚き、ありがたく思いました。「大奥」は時代劇の美しさ、人と人とのあり方、そして想う気持ちを身近に感じさせてくれた作品です。皆さんと最高の作品にしたいと思ってます!」と強い思いを聞かせてくれ、自身が演じる絵島については「大奥はある意味で女性の素直な部分を描いている作品です。それは大切な自分の気持ちを確認するためのものなのかもしれませんね。絵島は若くして大奥取締という責任の重い役職に就いた女性なので、強い女性でなくてはならないと思います。凛とした強さが魅力の女性です。」と語った。

本作で井川さんの相手役を演じる及川さんはこう語る。「時代や衣装が変わっても変わることのない人間のカルマをエンターテイメントにした作品に参加できることが光栄です。いつの時代も変わらない人間の愚かさや醜さを楽しんで欲しいですね。」
嫉妬や妬みは私達人間にとって悲しい感情だが、最も人間らしい感情かもしれない。『大奥』はただ醜い感情が渦巻く世界を見せるだけではなく、人間として生きることを客観的に見せてくれるのではないだろうか。

(umemoto)