たとえ宣伝されずとも 名作はここにあり 『MAZE〜マゼ〜』初日舞台挨拶!
去年5月高知で先行上映され、知らない人はもはやいないというぐらい大ヒットした『MAZE〜マゼ〜』がとうとう東京上陸。銀座シネパトスにて初日舞台挨拶を行った。
「世の常で、地味でも心に染みてくる作品というものがあります。それがまさにこの『MAZE〜マゼ〜』という作品です。こういう作品は観に来ていただいたお客さんの口コミだけが頼りです。ぜひ宜しくお願いします。」と初主演映画となった蟹江敬三は話す。
名優達に囲まれた堂本裕太役の大沼健太郎くんは緊張しながらも「今日は来てくださってありがとうございます。」と感謝の意を述べた。撮影中では海に投げ込まれるシーンが多く、苦労したと撮影中のエピソードを話した。スナックのママ役で出演している仁科亜希子さんは、「高知の暖かい風土に支えられて完成した作品です。ぜひたくさんの方々に観ていただきたいです。苦労した高地弁も見所です。(笑)」と会場を沸かせた。
岡田主監督は「東京でもぜひ南風(マゼ)を吹かせたいと思っています。今のすさんだ家族について考えて欲しいです。このメッセージが伝われば幸いです。」と作品に注ぐ愛情を感じた。当日は主題曲を歌うakiも登壇。「何度観てもいろんな思いが込み上げてくる作品です。最後は自分の純粋な部分に帰れる、そんな作品です。ぜひ皆さんお誘いあわせの上、もう一度観に来て下さい。」と話した。
交通事故で両親を失った裕太(大沼健太郎)は、祖父の弦次郎(蟹江敬三)にひきとられることなった。しかし、裕太はトラウマを克服できず、自分に優しくしてくれる人々に心を開けないでいた…。人とわかりあう、そして愛して、生きる。こんな複雑な過程をたどる生き物は人間しかいない。人間という生き物はなんておろかで、けどなんてすばらしい生き物なんだろう、と再確認させてくれる今作。ぜひたくさんの人々に観ていただきたいと思う。
(ハヤシ カナコ)