1月24日、『TAXi』の監督が新たに仕掛けた、ノンストップ・スカイアクション『ナイト・オブ・ザ・スカイ』の来日記者会見が都内で行われた。

あの『トップガン』より10年以上前、その原型とも言えるコミックが、フランスの若者の間で絶大な人気を博していた。コミックの名は「Tanguy La Verdure」。その伝説のコミックの背景を現代に移し、大空を翔る騎士と呼べるパイロットたちに焦点を当てたのが、『ナイト・オブ・ザ・スカイ』である。

アクションといえば、ハリウッドという時勢。あえてフランスでアクション映画を製作することについて、ジェラール・ピレス監督は「作品を製作するにあたって、アメリカのアクション映画は意識していません。フランスが持つテクノロジーを駆使して、作りました」と話す。
フランスだからこそ撮影できたこと。そのひとつは、戦闘機“ミラージュ2000”の存在といえる。“ミラージュ2000”とは、音速を軽々と超えるスプリント力を持ちながらも、ドッグファイトで最も重要視される旋回性能などの操縦性は、1984年以来、20年以上にわたって世界トップクラスのといわれている名機。“完全なるリアル映像”にこだわった監督は、フランス空軍の全面協力のもと、5万フィートもの高度および音速飛行時でも撮影可能な機材を開発。600カットにも及ぶ空撮で、斬新な映像を撮りあげた。
パイロットを演じたブノワ・マジメルは「リアリティとはいかに本物のように見せるかという、信憑性だと思います。サングラスや歩き方でパイロットを表現するといった、ステレオタイプにならないように気を付けました。実際、パイロットと接して、彼らは“軍人”というよりも、飛行機の操縦に対する情熱を持ち、それに携わることに対して、子供のようにワクワクしている人たちだと感じました」
女性パイロットを演じたアリス・タグリオーニは、実兄がパイロットであり、子供のころから戦闘機の話を聞いて育ったとのこと。初の挑戦となったアクション映画について「実際はスポーツがとても苦手です。(笑)しかし、実際に飛行機の操縦には筋力がいるので、今までしたことのない筋トレをしました。これを機に、スポーツをしていきたいと思います(笑)」

フランスが世界に誇る戦闘機“ミラージュ2000”、そしてCGを使わずに実際のパイロットが味わう感覚を重視した空撮など、監督の「フランスの形式を守りたい」という思いが貫かれた、フランス流アクション映画である。
(t.suzuki)

★2月18日(土)より有楽座ほか全国ロードショー

□作品紹介『ナイト・オブ・ザ・スカイ 』