『二人日和』は長年連れ添った夫婦の深い絆を通して、生と死を見つめた作品である。
本作は、かつての映画の都・京都に再び活気を—-、という熱い思いから、京都を愛する人たちの手によって製作された。監督は、『森の向う側』『ザ・ハリウッド』などで高い評価を受けた野村恵一。本作で主演を務めたのは、京都撮影所育ちの女優生活40年以上になる名女優・藤村志保と「新選組血風録」で多くのファンを持つ名優・栗塚旭。

11月26日(土)、岩波ホールにて本作『二人日和』の初日舞台挨拶が開催され、監督と主演の藤村・栗塚、本作が映画デビューとなる期待の新人・山内明日が登壇した。
比較的年齢層の高い夫婦の姿も見受けられる超満員の客席を前に、ゲストは皆満面の笑みをこぼしていた。
そんな中、監督が「僕も、栗塚さんも、藤村さんも皆に会えて嬉しく思ってる。どうでしたか?」と客席に向かって挨拶をすると劇場全体を包み込むかのような大拍手が鳴り響く。これに対して監督は「この拍手を胸に刻み込んで、僕は京都から来たんですが、京都に持ち帰りたいと思う。これからも宜しく!」と感謝の気持ちを述べた。
藤村と栗塚もそれぞれ「私は岩波ホールで上映する作品をよく観に来てました。でもこうしてこちら側に立って挨拶できるなんて夢にも思ってなかったので嬉しい。ありがとう。」(藤村)、「30分前に満席になったという事で大変嬉しい。なんとか岩波ホールでやりたかったから胸が一杯。本作で世界にもう一度日本人の魂を届けたい。」(栗塚)と語った。
新人・山内は「すごく緊張してる。こんなに沢山の人たちに来てもらって…。私は本作が初めての映画です。感想は皆さんの温かい拍手でわかったつもりなので、また何度も観に来て下さい。」と涙ながらに挨拶をするシーンは初々しさを感じ、観客も子供を見守るように優しくその言葉を受け止めていた。

本作は、ドイツのフランクフルトで開催された映画祭「第5回ニッポン・コネクション」で、『血と骨』『世界の中心で愛をさけぶ』を抑え、見事グランプリにあたるNIPPON CINEMA AWARDを受賞。感動の波が世界に拡がっている。
(Naomi Kanno)

※2005年11月26日(土)より新春ロードショー
◇作品紹介『二人日和 』