ベテラン&新鋭監督6人が撮る“ペット”とは?「-PETBOX-」製作発表記者会見
生き物(ペット)をテーマにした連作シリーズ「-PETBOX-」の製作発表記者会見が六本木ヒルズにて行われた。1つのテーマを通して日本を考えるシリーズ、J-WHAT’S(※JはjapanのJ) CINEMAの第1弾である「-PETBOX-」は、社会現象にもなっているペットブームを切り口にする。ベテランから新鋭まで豪華な顔ぶれが揃った監督6人が、思い思いに今の日本を問いかける。記者会見には石侍露堂監督、瀬々敬久監督、磯村一路監督、天野ひろゆき監督、毛利安孝監督、季相國監督、出演の前田綾花が登場し、それぞれ抱負などを語った。
○毛利安孝監督『シャングリラ』(仮題)
「わがままを言ってロードムービーをやりたいと、舞台を移動動物園にしました。ブタや鳥など、出てくる動物も限定していません。もう少し増やしたいと思っているくらいで(笑)。動物が出て、子供が出て、可憐な美少女が出てくる映画です。いらないペットを引き取るという裏の設定もありますので、アンチな立場でペットを描ければと思います」
○前田綾花『シャングリラ』(仮題)出演)
「小さい頃うさぎをもらったりしたことがあって、今は犬を飼ってます。でも(犬は)おばあちゃんに取られちゃったんですけど(笑)。いろんな動物と一緒に出られるということでクランクインが楽しみです。きっといいものが撮れるのではないかと思いますので、出来上がりを待っていてください」
○季相國監督『因幡の白うさぎ』(仮題)
「うさぎを選んだのは、ホームレスの人が飼い出したという話を聞いたことがあって。あと俗説なんですがうさぎはさみしいと死んでしまうと言われていて、一方でうさぎは涙を流さない動物なので点眼の実験に使用されてたりもする。さみしいと死ぬのに涙を流さないという組み合わせが面白いなと思っていたことがもとになっています」
○磯村一路監督『トカゲ飛べなかった』(仮題)
「ネコを飼っていてとても愛着があるのですが、題材に選ぶにはポピュラーすぎて、どなたかが選びそうかなと。シナリオライターの方と話し合って、カナヘビ(トカゲ)を飼っているというのでトカゲに決めました。僕はトカゲが大嫌いなので(笑)、飼うことがとても不思議。それも知りたいということで撮ることにしたんですが、だんだん見ているうちに僕もトカゲを好きになりました(笑)。なのでトカゲを好きになるような映画を作れたらと密かに思っております」
○瀬々敬久監督『ネコと金魚の恋物語』(仮題)
「映画の学校で講師をやっていて、生徒の書いた脚本がもとになっています。ただ、彼女が死んでショックを受けた男が、彼女の金魚を飲み込んで10年間自分の身体の中で飼うという話です。でも身体の中は外からだとよくわからないということでネコを入れました。ちなみに僕はネコが嫌いです(笑)。作品としては打倒ポール・トーマス・アンダーソンを目指しています!…すみません(笑)」
○天野ひろゆき監督『FOUR』(仮題)
「まだ何も決まっていなくて…。僕はネコにしようかな…(笑)。相方のウドは出演する気満々です(笑)。オーディションも受けたいと言っていましたから(笑)。前作『CAGE』ではちょっとだけ出てるんで。主人公の後ろに通るパトカーを運転しているのがウドちゃんです(笑)。スタッフの方がとても優秀で、「これ人間ですか?」と聞かれる程度の僕の絵コンテを非常に理解してくれます」
○石侍露堂監督『家守』(仮題)
「今回実験的なものだと捉えていまして、ホラーやエロティックな要素を出していきないなーと思っていたのですが、あまりにも極端だとボツになりました(笑)。で、題材にヤモリを与えられました。映像の世界に入るきっかけになったタルコフスキーの『ストーカー』という映画の形で考えています」
まだ詳細が決まっていない作品がある中、『シャングリラ』(仮題)は2日後の9月4日からクランクイン。また、J-WHAT’S CINEMAの企画として新人を起用するオーディションも開催(※詳細はhttp://www.doing-pro.co.jp)。作品はそれぞれ50分ずつになり、単館系劇場公開後はネット配信を予定している。
(yamamoto)