6月25日(土)、『泥の河』『死の棘』などで知られる小栗康平監督9年ぶりの最新作『埋もれ木』が公開初日を迎え、舞台挨拶に小栗監督、キャストの夏蓮(かれん)、登坂紘光、浅野忠信が登場した。

『埋もれ木』は、山に近い小さな町を舞台にファンタジーな世界が展開する希望に溢れた物語。今回、脚本も担当した小栗監督は「不安定な時期の女の子を主人公にして、マイナスに考えずに積極的に生きてほしいということ、そして現実に潜んでいるファンタジー性のある話をやりたいと思った」と語り、そして「今の世の中はガチガチで、面白くない。若い人に、もっと柔らかい可能性がいっぱいあることを伝えたかった」と本作が生まれたきっかけを披露した。

また、主人公の“まち”を演じた夏蓮さんは、「誰にも経験できないことをやらせていただきました。人生が変わったと思います。映画は命を注いで創られていくんだと感じました。完成した作品を見て、知らなかった部分も見えて、作品は想像以上に大きくなるんだと驚きました」。明日15歳の誕生日を迎える夏蓮さんは、今回7000人の中から選び出された期待の新人。本作で目を見張る存在感を見せている。

一方、登坂さんと浅野さんは二人とも「監督から教わったことがあった」とのこと。「笑って自分をごまかすところがあったので『へらへらするな』と。今は治りかけていると思います(笑)」(登坂さん)、「台詞ってどうしても自分の言い方になってしまうのですが、監督からのちょっとしたアドバイスで台詞の言い回しが(ガラッと)変わったんです。本当にちょっとしたことで変わったので、すごいなと思いました」(浅野さん)とそれぞれ小栗監督との仕事が貴重な経験になったことを語った。

(yamamoto)

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□作品紹介
『埋もれ木』