私はここにいるよ あなたの歌声が私を救った 『パセリ』初日舞台挨拶に出演者&監督が登壇
どうして誰も気付いてくれないの?
私は誰にも必要とされないの?
確かに ここに存在してるのに…
“パセリ”…
いつも誰もが知らん振りで、いつも皿の端に追いやられてて…いつも。…誰も振り向いてくれない。
パセリと名乗る少女が、自分を見失いかけていた元ストリート・ミュージシャン一輝と過ごす数日間を描いた本作では、友情・恋愛・裏切り、様々なテーマが盛り込まれ観る者の心を捉えて離さない。
そんな映画『パセリ』舞台挨拶が行われた渋谷UPLINK Xでは、出演者でパセリ役の派谷恵美さん(『非・バランス』)、一輝役の友井雄亮さん(ANB「仮面ライダーアギト」)、一輝の恋人・恵役の勝村美香さん、本作で劇場作品デビューを飾った植田尚監督が登壇し初日舞台挨拶が行われた。
場内は立ち見が出そうなほどの賑わいを見せ、出演者や監督も喜びを隠しきれない様子。まず口火を切ったのは一輝役の友井さん「1年前に撮影したんですが、この上映を待ってました!という感じですね。それにしても(客席と)近いなーっ!!」と突っ込みを入れると場内から数多くの笑い声が。「一輝という役はですね、今まで自分が演じたどの役よりも、ライダーよりも!(場内爆笑)自分に近くてすごく共感出来たんです。だから本作を観て俺も頑張らなきゃ、と感じてもらえたり夢に向かって走ってもらえたら嬉しいですね。」と語る。
そして、パセリ役の派谷さんは「監督が良い意味で野放しにしてくれたのでやりやすかったです。その時その時の自然なままの感情で演じました。とにかく撮影中はすごく楽しかったので本作を観る人にもそれが伝わって楽しくなってもらえたらいいな、と思います。」と微笑む。恵役の勝村さんは「ダメ男の妻みたいな(笑)。でも、本作で初めて暴力というかアクション!?っぽい事が出来て楽しかったです。」と発言すると友井さん「確かにされるがままでした(笑)」とうな垂れる。最後に植田監督は、本作『パセリ』が誕生した経緯についてこう語る。「そもそも私、違う作品やっている時にスタッフとごはん食べに行ったんです。そこでハンバーグをみんなで食べたんですがパセリだけが何故か誰もが残していて、ある人の皿なんて見たら皿からパセリ落ちてたんですよ!(笑)これは、あまりにひどい、パセリの気持ちになってみろ!と思い製作されたのが本作なんです。自分的にテーマを言うと、夢や目標持ってたりそれぞれみんなあると思うんだけど、俺も明日から頑張ろう!観た後にそう思える映画になればいいな、と思ってます。」とコメントをまとめた。
舞台挨拶中は終始笑いが絶えず撮影現場の雰囲気もこんな感じだったのだろうか?と仲の良さが伺えた。そして比較的小さい劇場のせいか出演者も観客も密着型のアットホームな雰囲気でとても心地よい空間が生まれていた。
(菅野奈緒美)
※2005年5月28日、UPLINK Xにてレイトショー!
◇作品紹介
『パセリ 』