現代社会の中で空虚な毎日をなんとなく過ごす青年が、ある日タイムスリップしてやってきた4人の幕末の英雄たち(土方歳三、久坂玄瑞、中村半次郎、中岡慎太郎)に出会い、「志」をもった彼らのスピリットに触れ自分自身の魂に目覚めていく・・・・。
 映画『オトコタチノ狂』は、2004年にゆうばり国際ファンタスティック映画祭でのワールドプレミアが話題となりプチョン国際ファンタスティック映画祭でも上映され好評を博した意欲作。監督のジョイ・イシイをはじめ、成田浬、田久保宗稔、工藤俊作といった俳優陣が中心となった自主制作であることも異色である。熱い思いを胸にスタッフ全員が一同になって作り上げたその渾身の作品のエネルギーは、「君の志を聴かせてくれ・・・」と幕末の士たちに迫られる主人公の青年のように、自分自身を問いかけられている気持ちにさせられる。企画段階から数えて5年越しのシネマアートン下北沢での公開初日には、監督のジョイ・イシイと成田浬、田久保宗稔、小林博、金澤眞の4人の侍たちが再び集結した。

制作のきっかけについてイシイ監督はこう語る。「もともと幕末とか侍というものに興味があったんですけど、仲間内でよく「俺もあの時代に生まれていたら思いっきり暴れるのにな。」なんてゆったりしていますけど、本当にその時代に生まれていたら現代の我々は彼らのように生きることができるのか、また時代に散っていった侍たちが現代の日本を見たらどう思うのかなんてところから発想しました。」イシイ監督、成田浬、田久保宗稔を中心にはじまったこの企画は、話がすすむにつれて彼らの「映画をつくりたい!」という熱意に賛同し、田中要次、諏訪太郎、中原翔子など多くの協力者たちを獲得していった。「僕たちからすれば別に自主制作だ、という意識は特になかったし、出演している俳優たちもスタッフと同じように出番がなければ働いていた。やりたい奴が集まって、みんなで動いて、それで物が出来上がっていったという感じでした。今日はこのメンバーで舞台挨拶に立てたことがうれしいです。映画に対して意見や批判があったら是非聞きたいです。でも1つだけいえるのは、この作品にはこの時の僕らのベストがつまっているということです。楽しんでいってください!」(イシイ監督)
(綿野)

※『オトコタチノ狂』は、シネマアートン下北沢で4月8日までレイトショー公開!

□作品紹介
『オトコタチノ狂』
□公式HP
『オトコタチノ狂』