女優・藤村志保 雷蔵を語る『市川雷蔵映画祭』ついに開幕!
本日11月27日(土)より、市川雷蔵の映画50周年企画『市川雷蔵祭 艶麗』が公開される。初日を記念して雷蔵と最も縁のある女優・藤村志保さんによる舞台挨拶がシネスイッチ銀座にて行われた。デビュー作『破戒』(62年)で共演してから、雷蔵を大恩人として慕う藤村さん。雷蔵への尽きせぬ思いと、没後35年を経た今も色あせない雷蔵の魅力を語って頂いた。
藤村:「私は大映の研修所を卒業した翌年、新人で『破戒』という作品でデビューし、初めて雷蔵さんと共演させて頂きました。この作品には、雷蔵さんが私を抜擢してくれたというウワサを聞きましたが、直接本人からそのような話をされた事はありません。でも、嬉しいですね。『破戒』の市川崑監督は厳しくて、何十回もテストをしました。私は監督の注文になるべく答えられるように無我夢中でやっていましたね。そんな私を「監督、新人の子にそんなに注文つけたって分からないよ。」と、雷蔵さんがかばってくれた事を今でも覚えています。
役者としてこんなに幅の広い方に出会えて驚きの連続でした。雷蔵さんは普段は穏やかな感じの人と思いますけど、役によって顔も違うし、声も違うし、眼も違う。私は今でも雷蔵さんが出た作品、そして雷蔵さんが多くの人に愛されていて、同じ大映の誇り、日本の誇りを感じます。本当に素晴らしい方だったと。当時私はまだ新人で若くて、自分の事で頭がいっぱいでそこまで分析していませんでしたが。あの方は私の女優人生の中で一番大切な方です。」
市川雷蔵の魅力、そして思い出を語って頂いた藤村さんの次回作『ターンオーバー』も昔の大映のスタッフ達と作った作品という事なのでぜひとも注目して頂きたい。来年1月下旬京都で公開予定との事。
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『市川雷蔵祭 艶麗』全41作品を連続上映!!
2004年は市川雷蔵が大映のニューフェイスとして『花の白虎隊』でデビューしてから、ちょうど50周年を迎える記念の年です。生涯に158本の出演作を残し、37歳という若さで夭逝した不世出のスター、市川雷蔵の足跡を辿る41本の作品を連続上映。
『新・平家物語』(1955年溝口健二監督 吉川英治)が、カラー邦画初のデジタル・リマスター版として蘇る。このデジタル・リマスターは、日本映画史上初の試みで『市川雷蔵祭 艶麗』の目玉作品として上映される。 (11月27日〜30日、12月22日〜24日での上映)
(菅野奈緒美)