よしもとよしともの乾いた作品世界を、海外映画祭でも高い評価を受けてきた奥原浩志監督が初の映画化!言葉では片付けられないどうしようもない感情を抱え、気付くと自分がそこに立っているのかすら分からなくなっている。
そんな、ぼくたちの日々が、ここにある。

本日、『青い車』初日舞台挨拶が上映終了後の渋谷シネ・アミューズで行われ、監督や出演者の方々が姿を見せた。
登壇者は、いつも自分がどこか空っぽで、やりきれない気持ちを抱えているリチオを演じた『ピンポン』以来3年ぶりの映画出演となるARATAさん、あどけなく見えながらも、時折リチオに挑むかのような眼差しを向けるこのみに、少女の揺らぎと強さを併せ持つ宮崎あおいさん、原作では姿の見えない記憶の中の存在であるアケミに明るさと素直さが映画としての深さを支える麻生久美子さん、リチオが勤めるレコード店の店長に『アイデン&ティティ』で監督としても評価を集める名優・田口トモロヲさん、そして本作の監督の奥原浩志さん総勢7名。

奥原監督:「初日にありがとう。初日にこんなに沢山人が集まるのは経験がないから嬉しいです。現場では、何の問題も無くスムーズに撮影が進んでよかったです。すごく色々なタイミングがうまく重なった作品だと思います。見終わった後に、本作について「あそこは、あーだ、こーだ」と色々話し合って頂きたいなと。」

ARATA:「(元気良く)こんにちは!!!どうでしたか?撮影は2週間だったが、すごく充実して濃い2週間でした。最初リチオという役がなかなか掴めなくて…でも、宮崎さんと麻生さんによってリチオという人間が段々分かってきて、2人によって作られた所があるな、と思います。」

麻生さん:「この撮影入る少し前から2人は面識があったので楽しくできました。本作に関わって恋愛感や物の見方が変わったのでターニングポイント的な作品になりました。それから私は、人の一生についてよく考えることがあるんです。本作でアケミは事故死してしまいますが、なんて人生は短いのだろう、と。それはアケミが若くして死んだからではなく、80歳まで生きたとしても人間はいつ死ぬか分からないと感じたからです。それなら、周りの人たちをもっと愛して、一生懸命生きたい!と。私は死ぬ役が多いのですが(笑)こんな事を思ったのは初めてです。」

宮崎さん:「切ないけど素敵な作品。あと、ARATAさんは役ではすごく冷たいんですが、普段は全く違って優しいんです、すごく。そのギャップがね♪だから、撮影終了した時はなんだか寂しかったです。」

田口さん:「なんで俺呼ばれたんですかね?皆、口下手だからって言う事で呼ばれたみたいですけど俺も実は口下手なんですよ。(笑)キャストの若い3人はとにかく眩しくて。監督は静かに演出する人。前から監督の事は好きでいつか奥原作品に出たいと思ってました。俳優のニュートラルな部分を出してくれる感じで。現場はとても居心地良かったです。」

『青い車』は渋谷シネ・アミューズにて公開中!以降全国順次公開!
(菅野奈緒美)

■作品紹介
青い車