幼いままの少年サム。彼の能力が“特別”だったから、家族は引き離されていく。
知的障害を持つ少年・サムを取り巻く衝撃のヒューマンドラマ!

『ニワトリはハダシだ』は2003年度東京フィルメックスのクロージングを飾ったのち、2004年ベルリン映画祭フォーラム部門招待作品として上映されると前代未聞の快挙を成し遂げる。日本のみならず、ドイツの観客からも大絶賛を浴び、その挑戦的かつ大胆なテーマで全上映満席という見事な成功を納めた。タイトルの『ニワトリはハダシだ』は、東北に古くから伝わる民謡「おこさ節」の一節にある言葉。ことわざ辞典には「わかりきったことのたとえ」とある。
本日、出演者をゲストに招いての記者会見が行われた。登壇したのは森崎東監督、浜上竜也さん(子役)、賠償美津子さん、原田芳雄さん、肘井美佳さん(新人)、加瀬亮さん、守山怜愛さん(子役)。

Q.本作を観た方から何か感想は頂きましたか?
森崎監督:「昨日から上映始まり本日二日目なのでまだ意見は頂いていないが、昨日サインを貰いに来た人からの言葉で「肘井さんと加瀬さんの夕日のシーンで涙が出ました。」と言われ、とても感動的で嬉しかったです。なぜならそのシーンは誰かに泣いてほしい!って思っていたシーンだったからです。」

Q.監督については?
賠償:「監督とは何本かご一緒させて頂いてますが、監督はすごくエネルギッシュで大好きです。」
原田:「森崎ワールドは必ず危機的状況になると歌が出てくるんです。今回もそうですが、そんな森崎ワールド好きです。」

Q.プレス(マスコミ用)資料に、或る知的障害児の母親からの言葉という事で“世間からあの子を隠そうと思わない。逆に世間にあの子の面白さを見せたい位です。”とあるが。
森崎監督:「本作の企画は長い事あたためていたが、実際に知的障害児を描いたものを撮ってよいのか決心がついていなかったんです。でも、今大阪で養護施設の長をやっている知的障害児を持つ母親のその言葉は自分にこの映画を撮っていいよ、と言ったような気がしたんです。その力強い一言に励まされてこの映画は誕生しました。」

Q.浜上さんはこの知的障害児という難役を演じるにあたって何か役作り等はしましたか?
浜上:「三回程そのような施設に行き、障害者の方たちと接し色々な事を学びました。一回サムを演じたら監督に「もっと君の素のままでいい!」と言われ丁度その頃『アイアムサム』という映画を観ていてこういうのでいいんだ、と思い『ニワトリは〜』のサムを演じました。」

最後の質疑応答の中で森崎監督の「いや、あういう“サム”(『アイアムサム』)は拒否反応起こるから違うんだよ。」との言葉に浜上さんの「えっ…そーなんですか!?」との掛け合い。締めに「ま、その話は後でしよう。」という監督の発言に浜上さんがどぎまぎしていたのが何とも印象的だった。

さて、その巨匠・森崎監督の最新作に日本が誇る実力派俳優陣が集結した『ニワトリはハダシだ』は、11月13日から渋谷シアター・イメージフォーラムにて“疾走”のロードショー!
(菅野奈緒美)

□作品紹介
『ニワトリはハダシだ』
□東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/index_j.html