村上春樹原作『トニー滝谷』完成披露試写会&舞台挨拶
孤独だったトニーが、手に入れた幸福と最愛のひと。
でも、大切なひとは、どうしていなくなってしまうのでしょう?
今度の市川準監督の最新作は、2年ぶりの書き下ろし長編小説『アフターダーク』を刊行したばかりの村上春樹さんの短編小説『トニー滝谷』です。
村上さんがハワイで偶然買った“TONY TAKITANI”とプリントされたTシャツ。そこから小説家の想像力の中で豊かに育った小説は、今度はイッセー尾形、宮沢りえ、ナレーションに西島秀俊という魅力的なキャスト、坂本龍一さんの音楽を得て、静寂で切ない映画として完成しました。
本日、登壇したのは主演トニー滝谷役のイッセー尾形さん、共演で1人2役を演じる宮沢りえさん、そして市川準監督。
市川監督:「原作読んだのは10年以上前。それくらい古い小説なんです。これが映像化という事で、当たって砕けろといった感じでやりました。
映画は、冷たい感じに見えながらも最後の終わりで、何か暖かいものが流れ込んで来るような…そんなテイストになっています。」
「イッセー尾形さん、宮沢りえさんの2人は僕にとって完璧なキャスティングです。」
イッセー尾形:「村上作品は透明感あってガラス細工のような感じだが、撮影現場は横浜市の空き地にステージ組んで行っていました。毎日行くのが楽しみでしたよ。笑」
宮沢:「市川監督の映画にずっと出たかったが、“僕の作品には似合わないよ”と言って断られ続けてたんですよ!だから今回は本当に嬉しかったです。」
「本作を観て自分はこの映画をとてもいとおしく感じました。忘れられない風に吹かれた、そんな気分です。」
本作は第57回ロカルノ国際映画祭で【審査員特別賞、国際批評家連盟賞、ヤング審査賞】のトリプル受賞という快挙を遂げた。
村上春樹作品としては20年ぶりの映画化となる本作。見逃す手はない。
(菅野奈緒美)
※『トニー滝谷』は2005年新春第2弾、テアトル系にてロードショー!
□作品紹介
トニー滝谷