アジア最大の歓楽街と言われる新宿歌舞伎町。そこに14年間立ち続け、「案内人」(ガイド)として生きる一人の男がいた——。話題騒然のロングセラー・ノンフィクション「歌舞伎町案内人」(角川文庫刊)を、中国出身の張加具監督がオール歌舞伎町ロケを敢行し完全映画化した。

 小雨が降る中、初回に足を運んで下さったお客さんに拍手で迎えられ、舞台挨拶のゲストの方々が登場。監督が「全力で作りました。観終わった後、何か心に残ってくれれば嬉しい」、チュ—ヤンさんが「来て下さって誠にありがとうございます」、山本太郎さんが「この映画は宣伝が完璧じゃありません!でも今日は3万人くらい(会場に)いるかな!?この映画を広めていってください」と沸かせたところで、ガッツ石松さんが「普段のガッツとはイメージが違う演技。まだ観ていないからよくわからないけれど、たぶんOK牧場だと思う!」とお決まりの言葉でお客さんを大爆笑させる。さらに舞の海さんがまだ観ていないお客さんに、あろうことかネタバレ発言!すかさず山本さんが「聞かなかったことに!」などと言い、まあまあそこはご愛嬌という感じで収まる。しかしその後もガッツさんが「オーラ」と言おうとして「オーロラ」と言ってしまったり、シリアスな内容の映画に似合わず笑いの耐えない賑やかな壇上。誤解を恐れたチュ—ヤンさんが「この映画はコメディじゃありません!」と大きな声で言う場面も。
 「隠れ撮影みたいな感じが多かったけれど、強い人(ガッツさんや舞の海さん)が居るからコワイ人が来ても平気だった」とチュ—ヤンさん。現場はとても楽しかったと皆さんが口々に述べる。しかしかなりタイトスケジュールだったそうで、撮影の終わり頃チュ—ヤンさんと山本さんは連日2時間程度の睡眠しかとれなかったと苦労を語った。

 普段ならマスコミ以外のカメラ撮影は禁止だが、サービス精神旺盛な山本さんが「お客さんもどうぞ」と言うなり にわか撮影会が始まる。そんな楽しい余韻を残したまま、初回の上映に移っていきました。
(村松美和)

■『歌舞伎町案内人』は、テアトル新宿にてレイトショー中!

□作品紹介 『歌舞伎町案内人』