「本当はパルムドールをあげたかった」と、2004年第54回カンヌ映画祭で審査員長クエンティン・タランティーノ監督に言わしめ、大絶賛された『オールド・ボーイ』。上映後10分間もの間スタンディング・オベーションを受けたこの作品で、主人公オ・デスを演じたチェ・ミンシクさん、その若き恋人ミド役のカン・へジョンさんが来日し、渋谷東急セルリアンタワー東急ホテルにて会見を開いた。

チェさんの来日は、日本でも大ヒットした『シュリ』以来プライベートを除いて3回目。カンさんは初来日。「新たな作品を持って来ることが出来て感慨深く、胸高鳴る思いです。今までの韓国映画イメージから脱却できたと思います」(チェさん)、「良い映画だということを保証します」(カンさん)と挨拶。
役作りに関してチェさんは、15年も監禁される男という全く参考にするものがない人間を演じることになり「悩みに悩んだ」と明かす。「しかし他の人にも経験がないのなら、自分の演じ方が正解になるはずと考え、今まで以上に想像力を使って取り組んだ」という。
カンさんは「出来るだけ心を空白にしてミドになった。哀しい縁で結ばれているデスとの関係を理解しようと努めた」と語る。

お二人とも最近の日本の韓流ブームのことはご存知で、韓国俳優たちが愛されることは嬉しいと述べる。だが「申し訳ないが、関心はありません。私は、作品に出演することで交流を図っていきたい」とのチェさんのコメントに「同感です。ブームはあくまでブーム。皆さんが文化人として作品を心で感じてほしい」と意見を添えるカンさん。

チェさんの 冷静に客観的に物事を見つめる考え方や映画に対する真摯な情熱、そして時々見せるユーモアに、俳優としての格の高さと特別なオーラを感じました。そのベテラン俳優と堂々と共演を成し遂げたカンさん、今後も期待度大です。
ちなみに、好きな日本人俳優やアーティストは、チェさんは高倉健さん、カンさんは浅野忠信さん、MISIAさん、Do As Infinity、EGO-WRAPPIN’ なのだそうです。
(村松美和)

■2004年秋、新宿シネマスクエアとうきゅう他にて全国拡大ロードショー!!

□作品紹介 『オールド・ボーイ』