亡き6代目中村歌右衛門がかつて得意としていたことでも有名な歌舞伎舞踊の大曲「京鹿子娘道成寺」をモチーフとした映画『娘道成寺』で、故・六代目歌右衛門の甥にあたる中村福助が映画初主演を果たした。九代目襲名披露で、白拍子花子を演じその後も何度か踊っている福助が映画でもその妖しい魅力を発揮し、圧倒的な美をみせつける。試写会の舞台挨拶には、福助のほかに共演者の牧瀬里穂、須賀貴匡、高山由希子監督、岡本みね子プロデューサーが登場した。

「叔父の歌右衛門のライフワークでもあった白拍子花子。そして彼もそれをフィルムに残しています。今回こうして私が演じれるのはなにかのご縁かもしれないと思いました。撮影では計16回は踊りました。」と福助が語ると、客席からは「成駒屋!」の掛け声が挙がりこれには福助もニッコリ。共演の牧瀬里穂は、一人二役という難しい役どころに今回チャレンジしている。「一人二役は初めてです。バレエは小さいときから習っていましたが、日舞は10年前くらいからなんです。でもそれにしても福助さんの前で踊りを踊るっていうのは、これほど嫌なものはなかったですよ。」(牧瀬)これには共演の須賀貴匡も同感の様子。「普段は歌舞伎役者さんしか上がることのできない京都南座で、そして福助さんと一緒に道成寺を踊ることができるなんて、本当にすばらしい体験でした。」(須賀)と目をキラキラさせた。女形に挑戦している須賀に「彼は鏡の中に自分にうっとりしてたよ。」と福助先輩が告げ口するシーンも。「スタッフみんなで娘道成寺を研究しました。ですからみんなスタッフも踊れるくらいなんですよ。」と高山監督はこの作品への思い入れの強さを語った。

☆『娘道成寺』は8月28日より東劇にてロードショー!

□作品紹介
娘道成寺〜蛇炎の恋