アイルランドの修道院での迫害の真実を描いた『マグダレンの祈り』が今秋日本で公開される。1996年までアイルランドに実在したマグダレン修道院。そこでは収容された少女たちが修道女たちに人間性を無視するような迫害を日々受けていた。過酷な状況下におかれていてもなお、自由を勝ち取るために最後まで希望を手放さない凛とした少女の姿が勇気を与えてくれる作品である。監督は『マイ・ネーム・イズ・ジョーでカンヌ映画祭の男優賞を獲得した名優ピーター・ミュランである。その美しさゆえに周りの少年たちの心を惑わせるという理由で修道院に送られれしまう主人公バーネットを演じるのは、オーディションで選ばれたアイルランドの新星ノーラ=ジェーン・ヌーンである。来日記者会見では、納涼記者会見と題し、彼女が日本の浴衣姿で登場し、記者の心を和ませた。

ノーラ「学校での芝居などには出ていましたが、今回プロとして初めて女優をやらせていただいたのにもかかわらず、幅の広い演技が求められる役で、経験によって変わっていく豊かな役をやらせていただいたことは私にとってとても貴重な経験でした。アイルランドではマグダレンの問題はとても身近なことでよく俎上に載せられている社会問題であります。しかし、教会側はこの映画については一切無視しましたね。何千人もの女性たちが体験を語っています。彼女たちの中には訴訟や謝罪を求める動きもあります。この映画をとおして教会の閉鎖的な体制に改革がもたらされればいいと思います。マグダレンにかかわらず、権力の間違った行使、という問題は世界中でおこなわれていることです。そういったことに対してもこの映画が警鐘を鳴らすきっかけになればいいですね。」

☆『マグダレンの祈り』は今秋恵比寿ガーデンシネマにてロードショー!

□作品紹介『マグダレンの祈り』