「刑事」をキーワードに10人の監督がオムニバスで映画を撮った人気企画「帰ってきた刑事まつり」。毎週水曜と金曜に各監督を迎えてのトークショーが開かれるなど今回も大きな盛り上がりを見せていたこの企画。満員御礼の公開千秋楽のシネマ下北沢には、「姦(かん)刑事」の瀬々敬久監督、「ぱいぱん刑事」の新藤風監督、「背徳美汁刑事」の本田隆一監督、同作品主演女優の中原翔子さん、「刑事まつり」シリーズの発起人・篠崎誠監督を迎えて最後のトークイベントが開かれた。

瀬々監督「今日さきほど私もはじめて全部の作品をみました。本田隆一くんの作品(「背徳美汁刑事」)はすごいねぇ。アトピー刑事(井口昇監督)はアトピーの人は見ない方がいいね。私は撮影は一日で終わったんですが、編集でデータが飛んでしまって五日間くらいかかってしまいました。いい歳してなにやってんだかなぁと思いましたけど。」
新藤監督「撮影前にメインキャストからドタキャンされたり、空き巣に入られて撮影機材を盗まれたり、どうにか来たカメラが壊れてたり、色んなことがありました。小学校のPTAから呼び出しくらったりもしましたね。今回は駄目駄目なものを作ってしまったんで、この企画の第四弾で監督する田中要次組をお手伝いしてリベンジしたいと思います。」
本田監督「やってみてわかったことは、モザイクを入れるのってすごく大変なんですね。次回はモザイクのないものを作ります。出演してくれた方には感謝しています。そういえば、僕の組のマエバリは全部新藤さんがやってくれたんですよ、めちゃくちゃマエバリ上手いんです。(笑)」
中原翔子「私は今回の企画中3作品に出演しています。大変というよりはとても楽しかったです。」

今後「刑事まつり」シリーズは第3弾、第4弾と企画されていますがその気になる現場の様子はというと、発起人篠崎誠監督いわく、
「今日第四弾の田中要次さんが撮影してましたよ。大杉蓮さん主演で豊原さんや諏訪さん、あと事務所に内緒で山崎まさよしさんも出ています。北村龍平監督の『VURSUS』に主演した榊英雄の榊組なんてクレーン使って撮影してるらしいですよ。第一弾で黒沢清さんが自分でカメラ回していたのに、なんて思ってビックリしました。」

☆シネマ下北沢では今後も第3弾(森達也、熊切和嘉、山口雄大、小沢仁志ほか)、第4弾(田中要次、大森南朋、柳ユーレイ、榊英雄、津田寛治ほか)と企画は決定しています。お楽しみに!

◇作品紹介「帰ってきた刑事まつり」
◇公式頁「帰ってきた刑事まつり」

(綿野かおり)