2002年7月7日、辻仁成監督作品、大沢たかお、井川遥、森村泰昌ら主演による『フィラメント』(共同配給:アートポート/アースライズ)がチェコのカルロヴィ・ヴァリ映画祭にて上映された。
本作品はコンペティション部門に出品され、世界中から集められた18作品と競いあう。会場には各国から集まった映画ファンや批評家が押し寄せ、熱気を帯びたオープニングとなった。
上映前のスピーチで辻監督はチェコ語を交えて『フィラメント』を観客に紹介し、惜しみない拍手をあびた。映画が始まると何度も笑いが起き、監督自身も驚くほどの反応の強さだった。エンドクレジットが流れると、会場はわれんばかりの拍手につつまれ、中には興奮した観客が監督に握手を求め、詰め寄るシーンも見られた。
翌日の8日、記者会見が行われ、質疑応答の前に辻監督は英語によるスピーチで『フィラメント』の世界を説明し、「個人の自由を、アートを通じて表現する篤次郎(とくじろう)のキャラクターは社会と自分らしさのはざまで苦しむ人物で、僕はこの『フィラメント』は森村泰昌さん演じる篤次郎の為に作ったといえます。」と語った。
記者からも篤次郎に関する質問やフィラメントに描かれた日本と現実の日本の関係性についての質問が多く寄せられ、30分以上に渡る質疑応答は活気のあるものとなった。また、記者会見の前には、チェコのTV局による単独インタビューも行われ、映画祭を通じて世界中に認知されるとともに、『フィラメント』への関心度の高さが伺えた。

なお、『フィラメント』は2002年11月にDVD&ビデオがリリースされる。(発売:アートポート/販売:パイオニアLDC)

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