『Color of pain 野狼』手作りコーヒーの友情譚も飛び出した舞台挨拶
日本きっての国際派アクション俳優と、ハリウッドも一目置くアクション映画・香港の新鋭がタッグを組んだ『Color of pain 野狼(おおかみ)』(アートポート/アースライズ共同配給)。その公開初日の12月8日(土)、銀座シネパトスで主演の澤田謙也と共演のテレンス・イン、そしてサム・レオン監督の3名による舞台挨拶が行われた。
開口一番レオン監督は「みなさん、おはようございます。今日、初日に来ていただいてありがとうございました」と流暢な日本語。なんでもかつて横浜放送映画専門学校(現・日本映画学校)に留学していたという。その監督に刺激されたのか、テレンスも「オハヨウゴザイマス。オモシロイ?」とまずは日本語で愛嬌をふりまき、場内を埋めた女性ファンの歓声を浴びた。
澤田は、『デッド・ヒート』『野獣の瞳』『ホーク/B計画』と香港の現場は何度も経験してきている。今回は、頭部に弾丸を受け、色覚を失ったスナイパーの役。
「俺が今までやってきたのは血生臭い感じだったけど、これはかなりオシャレな感じ。キックボクサーと戦うシーンがあるんですけど、あのときはちょっと指を怪我しまして、それが撮影の最初のほうだったので、きつかった。香港のスタッフはひじょうにわかりやすい人たちで『俺、指がこんなになっちゃってるよ』って言うと『澤田さん、強いから大丈夫だ』って(笑)」と笑いを交えながら苦労話を披露した。
監督によると、今回のキャスティングは、アクションのできる日本の俳優が主役に必要だが、きちんとしたアクションができる俳優はあまりいないということで以前より交友があり、また、『デッド・ヒート』以来注目していた澤田を起用。また、テレンスは、澤田演じる龍也が加担する強盗団の一味の役だが、脚本作業の段階から監督のイメージはテレンスだったという。監督とテレンスについて澤田は、
「サムは友達だから優しいかと思ったら、現場ではけっこうキツイことを言われましたよ。でも、ビジョンがひじょうにクリアなんですね。ぜんぜん無駄がない。サムをみんなが尊敬する、いい現場でした。テレンスもすごくいいヤツ。『香港のコーヒーはまずい』と言っていたら、僕の分も自分でドリップして現場に持って来てくれた。撮影が終わったら一緒に飲みに行ったり、すごく楽しかったですね。この場を借りて、どうもありがとう」と。
日本の映画人との仕事が続くテレンスは、「レオン監督と謙也さんとの仕事は興味深いものだった。いつもいい映画を作りたいという気持ちでいっぱいで。謙也さんに出会えてハッピーです。近い将来、また一緒に映画を作りたいですね」と応えていた。(みくに杏子)